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小型ハイブリッドロケットの研究開発

  • 公開日: 2024-01-26

【研究の背景および目的】
地球観測などに用いられる10cm角クラスの超小型人工衛星を,安価かつタイムリーに打上げることができる小型ロケットの開発を目的として,「ハイブリッドロケット」の研究を行っています。ハイブリッドロケットはプラスチックなど,それ自体では爆発しない高分子化合物を燃料として使います。そのため,既存の液体ロケット(液体酸素などを使用)や固体ロケット(火薬類を使用)と異なり,燃料の安全管理費用がほとんどかからないため,安価にロケットを製造することが可能です。

【おもな研究内容】
ハイブリッドロケットとは,エンジンの燃焼に用いる燃料と酸化剤の相が異なるロケットの呼称です。一般に燃料には固体(高分子化合物等の非火薬類),酸化剤には液体,または気体を用います。燃料単体で爆発することがないため安全でコストが抑えられます。ただし,燃料が燃えにくいためガスが発生しにくく,十分な推力が得られないという未解決の問題があります。
私は現在,燃料にアクリルとパラフィンワックス,酸化剤に液体酸素を用いています。研究・開発・打上げ実験を理工学研究科・地域ことづくりセンター所管の「鹿児島ハイブリッドロケット研究会」の枠組みで実施する「鹿児島ロケット」の取組みです。
ロケットエンジンの燃焼試験については、小型のエンジンの試験は鹿児島大学内で、打上げ機用のエンジンの試験はJAXA内之浦宇宙空間観測所で実施しています。

【期待される効果・応用分野】
宇宙開発マーケットは今後世界的な拡大が予想され,中でも安価で製造が容易な超小型人工衛星の打上げ需要が急増しています。超小型人工衛星の打上げには,小型で安価なロケットが適しています。ハイブリッドロケットは,エンジンの爆発に対する安全管理費用を大幅に削減できるため,打上げ費用を従来の1/10程度に低減できると考えられます。産学官連携の研究会を組織し,地元企業や機関の支援も得て「鹿児島ロケット」の開発に取組んでいます。鹿児島の宇宙産業の礎にもなる研究です。

【共同研究・特許などアピールポイント】
●固体燃料及びハイブリッドロケット(特許第7011306号)
ハイブリッドロケット(特許第7390727号)
HYBRID ROCKET(US 11,473,530,B2)
●研究会では、趣旨に賛同・協力いただける会員を募集しています。詳しくはHPをご覧ください。

【コーディネーターから一言】
「鹿児島ロケット」の開発に取組み、2019年から毎年、打ち上げ実験を行っています。衛星の軌道投入が将来の目標。学生の技術教育、地元企業の宇宙進出の足掛かりにもなります。夢に共感いただける方の協力を求めています。

研究分野:航空宇宙工学,圧縮性流体力学,ものづくり技術(機械・電気電子・化学工学)
キーワード:宇宙,ロケット,超音速流れ,超音速ノズル,噴射,溶射,数値シミュレーション

カテゴリ : シーズ(得意な技術・サービス等)
対象エリア: 国内 / 南九州 / 南西諸島域 / その他地域
有効期限 : 無期限

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