精神医療における訪問支援に臨床心理職が果たす役割
- 公開日: 2022-06-30
- 変更日: 2024-06-04
- 投稿者:鹿児島大学南九州・南西諸島域イノベーションセンター 研究・産学地域連携ユニット
- お気に入り件数:0
- 閲覧数:247
【研究の背景および目的】
精神医療における臨床心理職の活動現場は主に病院等の施設です。一方、近年「入院医療中心から地域生活中心へ」という精神保健福祉施策の改革が進められ、包括型地域生活支援プログラムの導入や精神障害者アウトリーチ推進事業により、多職種チームによる訪問支援が全国で展開されています。
本研究は、臨床心理職がチームに加わる際、訪問先でどのような臨床心理支援が提供できるのか、どのように多職種と協働していけるのか、効果的な多職種支援ケアモデルの構築を目指しています。
【おもな研究内容】
1.訪問看護ステーションや精神科病院内の訪問看護部に従事する支援者を対象に、職種や日々の支援内容について調査します。また、臨床心理職に対するイメージやニーズについて明らかにし、訪問支援の現状の把握と臨床心理職のチーム加入の可能性を探ります。
2.訪問支援サービス利用者や家族の方々を対象に、現在実施されている支援と今後希望する支援について調査し、支援ニーズの把握と臨床心理職の支援提供の可能性を探ります。
3.他職種支援者や支援サービス利用者のニーズを踏まえて、多職種支援ケアモデルを検討し、臨床心理職を含めた支援チームによる訪問支援の効果検証を行います。
⇒事例研究
⇒質的研究
⇒支援前後での心理検査
【期待される効果・応用分野】
「入院医療中心から地域生活中心へ」のビジョンの下、精神医療の訪問支援は充実して来ましたが、臨床心理職が加わる例は未だ少数です。改革を進めるには、臨床心理職を含めた多職種チームの協働による、当事者や家族の個別のニーズに沿った包括的な支援の提供が必要であると考えます。居宅で可能な療法、生活の場で効果的な支援の在り方も検討します。地域精神医療での臨床心理職の新たな職能や職域の展開を明らかにし、心理職へのニーズに応えます。地域生活の継続にも貢献できます。
【共同研究・特許などアピールポイント】
●調査研究には複数の訪問看護ステーションや医療法人に協力いただき、精神医療従事者の皆様と当事者及びご家族の協力のもと、分析を進めています。
●臨床心理職の在・不在にかかわらず、訪問チームの研究協力を求めています。
【コーディネーターから一言】
精神医療の訪問支援が進む中、心の専門家、臨床心理職が多職種チームに加わる際の支援の在り方を検討します。家族支援や病院に来られない方のケアにも有効です。訪問医療従事者のご協力が不可欠。ご連絡ください。
研究分野: 臨床心理学、地域精神医療、生活臨床
キーワード:アウトリーチ、多職種協働、生活臨床、SST(Social Skills Training)、コラージュ療法
(ご注意)
◯ コメントは公開されます。秘密情報の取り扱いには十分お気をつけください。◯ 非公開で投稿者と連絡を取るには、右の[個別メッセージ]機能を利用して下さい。
個別メッセージ
ニーズ・シーズ投稿者と個別のメッセージ交換を行えます。
関連するニーズ・シーズ
-
- 投稿者:鹿児島大学南九州・南西諸島域イノベーションセンター 研究・産学地域連携ユニット
- お気に入り件数:0
- 閲覧数:243
社会科黎明期のカリキュラムの理論に関する歴史的研究
シーズ(得意な技術・サービス等) 2022-06-30【研究の背景および目的】 本研究では,社会科黎明期(1945-1958年)のカリキュラムの理論を対象とします。第二次世界大戦後,戦前の価値観を刷新する公民教育の方向性を求めて,文部省は社会科委員会を設置しました。委員会メンバー(以下,創設メンバー)が,どのような意図や願望をもって新しい社会科を創り上げたのかを明らかにします。「総合と分化」や「人間形成と道徳教育」を焦点とし,歴史的研究を進めることで,創設メンバーの社会科教育論の果たした役割と限界を再評価することが目的です。 【おもな研究内容】 創...
-
- 投稿者:鹿児島大学南九州・南西諸島域イノベーションセンター 研究・産学地域連携ユニット
- お気に入り件数:1
- 閲覧数:298
論争のある社会問題を扱う教師の役割を解明する
シーズ(得意な技術・サービス等) 2022-06-30【研究の背景および目的】 2016年に18歳選挙権が実現されて以降、中学校や高等学校の現場で主権者教育の重要性が高まっています。しかしながら、社会的に論争のある問題を授業の中で議論する「論争問題学習」は、政治的中立性への懸念や授業方法の曖昧さから教育現場で浸透していないことが課題となっています。 本研究では、学校現場で論争問題学習を行うために、教師にはどのような役割が求められるのか、具体的な授業開発や実践を通して明らかにすることを目指しています。 【おもな研究内容】 1.論争問題学習における教師...
-
- 投稿者:鹿児島大学南九州・南西諸島域イノベーションセンター 研究・産学地域連携ユニット
- お気に入り件数:0
- 閲覧数:357
高度医療・抗菌薬低減・IoTによる産業動物の発育向上
シーズ(得意な技術・サービス等) 2022-02-08【研究の背景および目的】 鹿児島県には牛の強化哺育、子牛育成飼料給与マニュアル、短期肥育マニュアルが整備されていますが、呼吸器病や下痢による死廃事故は高いままです。本研究室は得意とする①内視鏡を用いた診断・治療による高度医療を追求し、死廃事故低減を目指します。さらに②抗菌薬の合理的な使用や利用低減、③IoTによる健康モニタリングを活用した飼育管理システムの開発により発育向上を図ります。また④子馬に重篤な感染症の早期診断治療技術の確立による、競走馬の育成強化も目指しています。 【おもな研究内容】 ...