産学・地域マッチングサイト

企業や地域自治体・公共機関、大学等の産学官連携による「ニーズ・シーズのマッチングプラットフォーム KuRiPS」

論争のある社会問題を扱う教師の役割を解明する

  • 公開日: 2022-06-30
  • 変更日: 2023-01-17
[ PDFファイル ]

【研究の背景および目的】
2016年に18歳選挙権が実現されて以降、中学校や高等学校の現場で主権者教育の重要性が高まっています。しかしながら、社会的に論争のある問題を授業の中で議論する「論争問題学習」は、政治的中立性への懸念や授業方法の曖昧さから教育現場で浸透していないことが課題となっています。
本研究では、学校現場で論争問題学習を行うために、教師にはどのような役割が求められるのか、具体的な授業開発や実践を通して明らかにすることを目指しています。

【おもな研究内容】
1.論争問題学習における教師の役割に関する研究―教師の判断に着目する―
「エネルギー問題」「憲法改正」など社会的な論争問題を扱う授業において、教師はどのような役割を担うべきか。この点について、「教師の個人的な見解表明の是非」という観点から研究を行ってきました。
米国を中心とする諸外国の研究動向を分析したり、日本の教師や生徒へのインタビュー調査やアクションリサーチを行なったりすることで、多様な教師の判断(「プロフェッショナル・ジャッジメント」)が明らかになってきています。
研究成果から、論争問題を扱う教師の役割を教師自身が振り返り、更なる教育実践に繋げていくプログラムを作成することを検討しています。
2.論争問題学習における議論を促す効果的な教師の働きかけに関する研究
日本の公民科教師に対する調査の中で、論争問題を扱う必要性を感じつつも、取り組むことができない状況が明らかになっています。
そのような課題を克服するために、学校現場で実践可能な論争問題学習プログラムを開発し、実践しています。その中で、教師の効果的な働きかけや授業方法について研究しています。

【期待される効果・応用分野】
研究1.研究成果は「教員の政治的中立の確保」に関する政策提言に活かすことができるとともに、教員養成や教師教育プログラムへ応用可能です。また、社会科だけでなく、理科や国語など対立する問題を扱う教室全般で活用することができます。
研究2.優れた論争問題学習は「主体的で対話的な深い学び」を実現するだけでなく、社会と直接つながる「真正な学び」を導きます。多くの教育現場でそのような学びが生まれることに貢献します。

【共同研究・特許などアピールポイント】
●全国社会科教育学会を中心とした関連学会で公表するとともに、学校現場での実践を進めます。
●社会科の授業だけでなく、シティズンシップ教育や主権者教育、ふるさと教育など他分野での活動にも応用可能です。

【コーディネーターから一言】
論争問題学習を効果的に行うメソッドの開発を目指す研究。総合学習、主権者教育等の現場で実践できるプログラムを提供します。授業実践等の支援も可能。中学・高校の先生方との連携が不可欠です。ご連絡ください。

研究分野: 主権者教育、論争問題学習
キーワード:主権者教育、シティズンシップ教育、論争問題、政治的中立、議論

カテゴリ : シーズ(得意な技術・サービス等)
対象エリア: 国内 / 南九州 / 南西諸島域 / その他地域
有効期限 : 無期限

(ご注意)

◯ コメントは公開されます。秘密情報の取り扱いには十分お気をつけください。
◯ 非公開で投稿者と連絡を取るには、右の[個別メッセージ]機能を利用して下さい。

個別メッセージ

ニーズ・シーズ投稿者と個別のメッセージ交換を行えます。

ログインすれば投稿者と個別メッセージ(非公開)のやりとりができます。

関連するニーズ・シーズ

  • 高度医療・抗菌薬低減・IoTによる産業動物の発育向上

    高度医療・抗菌薬低減・IoTによる産業動物の発育向上

    シーズ(得意な技術・サービス等) 2022-02-08

    【研究の背景および目的】 鹿児島県には牛の強化哺育、子牛育成飼料給与マニュアル、短期肥育マニュアルが整備されていますが、呼吸器病や下痢による死廃事故は高いままです。本研究室は得意とする①内視鏡を用いた診断・治療による高度医療を追求し、死廃事故低減を目指します。さらに②抗菌薬の合理的な使用や利用低減、③IoTによる健康モニタリングを活用した飼育管理システムの開発により発育向上を図ります。また④子馬に重篤な感染症の早期診断治療技術の確立による、競走馬の育成強化も目指しています。 【おもな研究内容】 ...

  • 豪雨による土砂災害に対する防災・減災技術の開発

    豪雨による土砂災害に対する防災・減災技術の開発

    シーズ(得意な技術・サービス等) 2022-02-07

    【研究の背景および目的】 日本各地で,毎年のように局所的な集中豪雨が多発し,崖崩れ,土石流,地すべり,道路損壊,堤防破堤などの土砂災害が発生しています。そのため,日本では国土強靭化への取り組みが推進されています。南九州地域は,他の地域より降水量が多く,シラスをはじめとする火山灰質土が堆積する土砂災害が発生しやすい地域です。我々の研究室では,豪雨時の土砂災害に対して,現実に存在する地盤に即した不飽和土質力学の知見に基づいた防災・減災技術の開発に取り組んでいます。 【おもな研究内容】 豪雨時の斜面崩...

  • 永久歯の自然萌出を可能とする骨再生誘導材の開発

    永久歯の自然萌出を可能とする骨再生誘導材の開発

    シーズ(得意な技術・サービス等) 2021-10-12

    【研究の背景および目的】 口唇裂・口蓋裂を代表とする口腔疾患では、顎堤(歯の生える部分)の骨欠損(顎裂)が生じることが多く、骨欠損部再建の手術が必要になります。この手術では自家骨移植を行うのが一般的ですが、腸骨からの移植骨採取は患者さんには大きな負担です。我々は口唇口蓋裂専門医療機関として、自家骨と同様の機能を果たす材料の開発に取り組んでいます。9~11歳で手術を受ける患者さんに向けて骨形成能だけでなく、永久歯の自然萌出を可能とする骨再生誘導材の製品化を目指しています。 【おもな研究内容】 1)...

利用登録
する