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高度医療・抗菌薬低減・IoTによる産業動物の発育向上

  • 公開日: 2022-02-08
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【研究の背景および目的】
鹿児島県には牛の強化哺育、子牛育成飼料給与マニュアル、短期肥育マニュアルが整備されていますが、呼吸器病や下痢による死廃事故は高いままです。本研究室は得意とする①内視鏡を用いた診断・治療による高度医療を追求し、死廃事故低減を目指します。さらに②抗菌薬の合理的な使用や利用低減、③IoTによる健康モニタリングを活用した飼育管理システムの開発により発育向上を図ります。また④子馬に重篤な感染症の早期診断治療技術の確立による、競走馬の育成強化も目指しています。

【おもな研究内容】
1.内視鏡を用いた診断・治療による高度医療技術の開発
牛・馬への内視鏡を用いた診断治療技術の向上と膀胱、消化管、子宮、呼吸器など内視鏡などの機器でしか採取できない試料を用いた検査技術を確立し、高度医療による死廃事故の低減を目指します。
2.抗菌薬の合理的な使用と利用低減策の探求
・細菌の薬剤耐性獲得機構の解明
・抗菌薬に代わる物質の利用による免疫強化
→アントシアニン高含有の紫さつまいもを用いた検証(右下図)
・正常細菌叢と細菌叢の変化に関する研究
・感染と感染防除機構の解明
・抗菌薬の動態解析
3.IoTを活用した健康モニタリングシステム
IoT機器等を利用して、飲水、飼料摂取など通常の行動や、病気に至る過程で起こる異常行動の検出、体長、体高、体重などの外部計測への応用、出荷前の肥育牛等の肉質診断、栄養状態などを把握する、健康モニタリング技術を確立し、死廃事故の低減と発育の向上を目指します。
4.子馬の重篤な感染症の早期診断治療技術の確立
子馬の生産性を落とすロドコッカス性肺炎やロタウイルス性腸炎を早期に診断・治療する技術を確立し、免疫向上とストレス軽減を組み合わせることで、競走馬の育成強化を目指します。

【期待される効果・応用分野】
・産業動物の死廃事故の低減と更なる発育向上や育成率の向上
・薬剤耐性菌の抑制を目指した抗菌薬の合理的な使用、使用量の低減あるいは抗菌薬に代わる免疫
強化物質の給与による飼養管理技術の開発
・IoT機器を活用した健康モニタリングシステムの開発による畜産業の効率化、生産性向上
産業動物に対する高度医療を追求することで、畜産業の発展への貢献を目指しています。

【共同研究・特許などアピールポイント】
●日本産業動物獣医学会九州地区学会長賞
・鼻腔粘膜ワクチン(TSV®-2)が牛の肺胞
マクロファージに与える影響
・細菌性乳房炎由来乳汁からのMycoplasma
bovisDNA抽出法の検討(2019年11月)

【コーディネーターから一言】
産業動物の内視鏡診断治療を得意とする研究室。医薬品開発など高度医療を追求する企業、飼料への免疫強化物質の応用を検討する企業、IoTを活用した飼養管理システムの開発を考える企業等との連携を希望しています。

研究分野:獣医学、臨床獣医学
キーワード:産業動物、牛、馬、高度医療、内視鏡、抗菌薬、抗生物質、IoT

カテゴリ : シーズ(得意な技術・サービス等)
対象エリア: 国内 / 南九州 / 南西諸島域 / その他地域
有効期限 : 無期限

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