産学・地域マッチングサイト

企業や地域自治体・公共機関、大学等の産学官連携による「ニーズ・シーズのマッチングプラットフォーム KuRiPS」

ヒートアイランド現象を緩和するシラス製被覆ブロックの開発

  • 公開日: 2019-05-13
  • 変更日: 2020-09-25
[ PDFファイル ]

(研究の背景および目的)
九州には特殊土といわれる地盤が多く存在しています。特に鹿児島県本土の約50%と宮崎県南部を含む南九州一帯に広く分布する「シラス」を地域資源として有効に活用する研究です。「シラス」のもつ吸水性や保水性を利用した軽量基盤材、また、路上や屋上・壁面の温度上昇を防ぐことでヒートアイランド現象を緩和する被覆ブロック材の開発と製造方法の実証研究を目的とします。
(主な内容)
●シラスは,農業生産のための基盤材、緑化基盤材など土木・地盤材料としての利用はもちろん、工業製品、医療・化粧品などにも利用され始めています。ここでは,環境に優しいエコブロックの製造に関する研究内容を紹介します。従来のインターロッキングブロックは、使用材料として、セメント、水、天然砂を利用しています。本ブロックは、海・川砂の代わりに、南九州一帯に無尽蔵とも言われるシラスを使用して製造されています。これら軽石を多く含む多孔質なシラスを使用することで、保水性能、透水性能を付加することが可能となり、ヒートアイランド現象抑制効果も期待できる環境にやさしいブロックです。また比較的軽量であることから屋上での利用も可能です。路上利用においても、雨水が浸透し易く一次貯留機能により,河川への流入を遅らせることで、洪水緩和にも有効なブロックです。また、固化したシラス被覆改良土の防草効果についても検証する予定です。可視画像芝緑化基盤エコブロック現状シラスセメント系++添加剤(砂質土)固化材屋上緑化実証実験54.9℃51.948.945.942.939.9街路樹周囲の防草効果36.9熱赤外線画像34.0赤外線サーモグラフィによる遮熱効31.0果の検証団粒構造ブロック化
(期待される効果・応用分野)
●ヒートアイランド現象の緩和(集中豪雨・熱帯夜など局所的な異常気象の軽減)●地域資源としてのシラスの有効利用(地域産業の創出)●建物の屋上などの長寿命化対策,建物内の省エネ対策(低炭素社会の実現)●透水・吸収性のブロックによる洪水緩和抑制(水害防止)●街路樹周辺や未利用地の防草対策・管理の軽減効果(景観形成・環境保全)
(共同研究・特許などアピールポイント)
●建設会社や建設コンサルタントとの共同研究によって,建物軽量資材としてのエコブロック化の開発を進めています。サンプル製造による実証実験,屋上被覆材としての検証が今後の課題です。
(コーディネータから一言)
無尽蔵にあるシラスを材料に、軽量資材エコブロックを開発する研究。ヒートアイランド現象の抑制、水害防止などの効果が期待されます。今後の共同研究で新たな特長・用途が検証され、実用化が待たれるところです。
(研究分野)
環境地盤工学 環境科学 舗装工学 土木材料
(キーワード)
エコ材料 インターロッキング エコブロック ヒートアイランド現象緩和 低炭素化社会 省エネ

カテゴリ : シーズ(得意な技術・サービス等)
対象エリア: 選択なし
有効期限 : 無期限

(ご注意)

◯ コメントは公開されます。秘密情報の取り扱いには十分お気をつけください。
◯ 非公開で投稿者と連絡を取るには、右の[個別メッセージ]機能を利用して下さい。

個別メッセージ

ニーズ・シーズ投稿者と個別のメッセージ交換を行えます。

ログインすれば投稿者と個別メッセージ(非公開)のやりとりができます。

関連するニーズ・シーズ

  • 企業の資金調達

    企業の資金調達

    シーズ(得意な技術・サービス等) 2019-05-13

    (研究の背景および目的) 准教授王鏡凱事業のリスクを配慮したうえで、安いものを買い高いものを売るというお金の理論は、どこの国、どの企業でも異なることはありません。コーポレートファイナンスでは、企業経営における企業価値とお金について考えます。世界共通、全企業に共通した汎用的な知識です。コーポレートファイナンスを知ることが当たり前、そんな時代が来てます。 (主な内容) コーポレートファイナンス(CorporateFinance)では、企業価値を最大化する観点から、企業の事業戦略(事業価値評価)や財務...

  • 「コガネセンガン」の芋焼酎好適性の理由を科学的に解明する

    「コガネセンガン」の芋焼酎好適性の理由を科学的に解明する

    シーズ(得意な技術・サービス等) 2019-05-13

    (研究の背景および目的) サツマイモには澱粉用や青果用、肉質も白色、橙色、紫色など様々な品種がありますが、芋焼酎の原料は9割がコガネセンガンです。コガネセンガンは香りが甘く、できた焼酎にも甘みを感じることが焼酎の原料にぴったりで酒造好適サツマイモとなっているのですが、その理由は科学的に分析されていません。コガネセンガンの芋焼酎への好適性を科学的に解明することで、芋焼酎のブランド価値を高めるとともに、新商品の開発や焼酎製造工程の見直しに寄与することが目的です。 (主な内容) 焼酎香味成分とサツマイ...

  • 奄美・沖縄諸島の先史時代における特異性の研究

    奄美・沖縄諸島の先史時代における特異性の研究

    シーズ(得意な技術・サービス等) 2019-05-13

    (研究の背景および目的) 私たちの祖先は地球上の様々な環境へと拡散し、各々の環境に適応してきました。島嶼(とうしょ)環境は、中でも最もチャレンジングな環境の一つでした。過酷な島嶼環境へ、人類がいつ、どのように適応してきたか、というテーマに興味を持ってきました。奄美・沖縄諸島を中心に琉球列島の先史時代を対象に研究しています。20年来の研究で、この地域は世界的に珍しい特徴を持つことが分かってきました。この成果から人類の将来に対して何か提言ができるのではないかと考えています。 (主な内容) 【1】ヒト...

利用登録
する