ネギ属植物成分の機能性とその応用:機能性食品・医薬品への実用化
- 公開日: 2019-05-13
- 変更日: 2020-09-25
- 投稿者:鹿児島大学南九州・南西諸島域イノベーションセンター 研究・産学地域連携ユニット
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(研究の背景および目的)
ニンニクやタマネギなどのネギ属植物を食べることによって、様々な病気に効くことが古代エジプト時代から知られています。治療や予防効果を発揮する疾患は、創傷、感染症、喘息、糖尿病、高脂血症、血栓症(脳梗塞や心筋梗塞)、悪性腫瘍(癌や肉腫)などです。また、メタボリックシンドロームや生活習慣病などにも広く効果を示すことが知られています。ネギ属植物が有するこのような機能性・効能を人類の健康維持に応用することが求められています。
(主な内容)
ネギ属植物から発見された新規化合物(有機チオ硫酸化合物)OSSONaOsodiumn-propylthiosulfate(NPTS)OSSONaOsodium2-propenylthiosulfate(2PTS)OSSONaOsodiumtrans-1-propenylthiosulfateOSSONaOsodiumcis-1-propenylthiosulfate有機チオ硫酸化合物(2PTSおよびNPTS)には、※次のような機能性が実験で確認されています。※次のような特徴(利点)があります。●抗ガン:ガン細胞増殖抑制●多機能性●ガン予防:第II相解毒酵素群誘導・放射線防御●マイルドな活性(低毒性)●抗血栓症:血小板凝集阻害●有機合成可能●免疫増強:白血球活性酸素生成促進●低臭性、熱安定性、水溶性以上のように、2PTSおよびNPTSは、ガンをはじめ多くの病気を予防して、健康な体をつくるように作用することが期待されます。
(期待される効果・応用分野)
2PTSやNPTSなどの有機チオ硫酸化合物を含む食品が開発できれば、複数の重要疾患を一度に予防できる機能性食品となります。有機チオ硫酸化合物は、天然物であるため、高い安全性が期待できます。また、創薬へも応用が期待されます。ただし、機能性食品や医薬品の開発には、企業との共同研究によって、生体での効果と安全性が証明される必要があります。
(共同研究・特許などアピールポイント)
●第二相解毒酵素誘導剤特願2006-297965公開2008-115090●公表論文CancerLett2005ProstaglandinsLeukotEssentFattyAcids2004&2005
(コーディネータから一言)
ネギ類に含まれる有機チオ硫酸化合物の高機能性を研究。特性を活かした食品や医薬品開発への実用化に向けて、効果と安全性を証明するための共同研究が必要です。関心ある企業からの問い合わせをお待ちしています。
(研究分野)
食品機能学 獣医臨床病理学 獣医臨床遺伝学 獣医臨床生化学
(キーワード)
機能性食品 タマネギ ニンニク ネギ 機能性 遺伝病 疾患モデル
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