温度履歴を考慮した海産魚のトレーサビリティ・システム
- 公開日: 2019-05-13
- 変更日: 2020-09-25
- 投稿者:鹿児島大学南九州・南西諸島域イノベーションセンター 研究・産学地域連携ユニット
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(研究の背景および目的)
漁獲された魚はその生物の持つ固有の価値と鮮度により価格が決定されますが、現在、魚の鮮度はそのほとんど関係者の経験により判断されています。また、原産地や市販されるまでの取扱い等の情報は取引業者間だけで共有(ブロック型)されることが多く、生産者から消費者までの商品の流れを追尾することは困難でした。このシステムでは、生産地から小売りまで温度履歴等を中心とした情報システムを構築し、安心・安全な食料を提供することを目指しています。
(主な内容)
●このWebシステムでは、流通の起点である生産地の情報から始まり、流通業者、卸売り、販売時における各ロットの温度履歴等を中心とした情報システムを構築しています。このトレーサビリティ・システムにより、1JAS法による原産地や解凍・養殖の表示義務への適正な対応が可能2水産物・加工品を輸出する業者に対してはHACCP対応による原料魚の衛生保証(原料HACCP)3温度履歴から算出される現時点での刺身レベル(K値)の判定やその後のシミュレーションが可能現在、社会的に関心の高い安心・安全な食料流通に対応したネットワークシステムが、研究段階では可能であると考えています。JAS法への表示対応衛生管理刺身レベルの算出漁獲情報生産者温度履歴流通業者小売店卸・仲卸業者個別情報トレーサビリティシステムWeb情報管理機能(DB、品質管理)
(期待される効果・応用分野)
温度は、水産物の品質変化や微生物等による衛生に大きな影響を及ぼします。このシステムでは、個体情報に温度履歴を組み入れることで、科学的知見に基づいて品質や衛生を管理します。また、刺身としての消費期限をシミュレーションで設定できることで、コンビニエンスストアなどでの利用が考えられ、最寄りのお店で刺身を購入できるなど、魚食普及に役立てられると考えます。
(共同研究・特許などアピールポイント)
●トレーサビリティのWebシステムは、システム開発会社との共同研究により開発いたしました。このシステムは、Explorerなどのブラウザで入出力するために、容易に操作できます。
(コーディネータから一言)
魚類の生産・流通過程を温度履歴中心に確認する情報システムの構築により、鮮度を科学的に管理できます。今後は、現場での検証を行い、実用化に向けて動くことになります。
(研究分野)
水産化学
(キーワード)
鮮度管理 水産物の鮮度・衛生管理 生鮮物流通 トレーサビリティ
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