血清中の特異抗体を検出する微生物感染症診断キットの開発
- 公開日: 2019-05-13
- 変更日: 2020-09-25
- 投稿者:鹿児島大学南九州・南西諸島域イノベーションセンター 研究・産学地域連携ユニット
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(研究の背景および目的)
実験動物など動物を集団で飼育する際には、感染症の流行を防ぐために集団内の感染症の定期的な診断が重要です。感染後の動物の血清中には、病原体を構成するタンパク質に結合する特異的な抗体が現れるので、これを検出することによって感染を診断することが出来ます。私たちは診断に病原体そのものでなく、抗体が認識する特定領域(エピトープ)を同定して利用することを提案しています。合成したエピトープペプチドを用いることで、高感度で安価な診断キットの開発が可能になります。
(主な内容)
ペプチド:アミノ酸が2~50個程度結合した分子。タンパク質の構成要素。コンパクトなため、合成や利活用がしやすい病原性微生物感染血液特異抗体の出現動物の血清中の特異抗体を検出する微生物感染症診断キットの開発抗原タンパク質の特定ペプチドアレイによる抗原タンパク質のエピトープの同定エピトープペプチドを利用した診断系の開発病原体の抗原タンパク質抗原タンパク質を分割したペプチド群「ペプチドアレイ」ペプチドアレイを用いた抗原ペプチドの同定二次抗体特異抗体高感度、特異的、安価な血清診断系の開発病原体のタンパク質をペプチドに分割して規則的に配列する病原体のタンパク質の中から抗体を作るペプチドの領域(エピトープ)を同定する
(期待される効果・応用分野)
血清学的な感染症診断のための抗原は、通常病原体をそのまま固定化して利用します。ウイルスや細菌を培養するため、手間がかかり安定的な供給が困難な場合もあります。抗体が認識するエピトープペプチドを同定して化学合成すれば、感染診断用の高感度で特異的・安定的な抗原として利用することができます。上記の手法は、モノクローナル抗体(*)の開発やワクチン用抗原の開発に応用することが可能なため、医薬品開発の手法としても期待できると考えています。
(共同研究・特許などアピールポイント)
*1種類の細胞から作られた1種類の抗体。がん細胞のみを攻撃する医薬品などへ応用できる●実験動物(マウス・ラット)に対する病原性微生物(センダイウイルス、マウス肝炎ウイルス)の抗原ペプチドを開発した実績があります特開2010-254600、特開2010-254601、WO/2010/123083
(コーディネータから一言)
本手法を用いて、病原性微生物の抗原ペプチドを開発した実績があります。他機関の研究者と連携しての新たな抗原ペプチド開発も可能です。キット実用化に向けて、共同研究ができる医薬品メーカーを求めています。
(研究分野)
実験動物学 実験動物医学 動物生命科学
(キーワード)
感染症診断 生体防御 肥満 精子形成
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