安定した治療効果をもたらす肝細胞移植プロトコールの確立
- 公開日: 2019-05-13
- 変更日: 2023-01-12
- 投稿者:鹿児島大学南九州・南西諸島域イノベーションセンター 研究・産学地域連携ユニット
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(研究の背景および目的)
肝臓移植が必要な病気には、肝硬変や肝不全の他に肝細胞が作る酵素が欠損する肝酵素欠損症があります。この症例には臓器ではなく肝細胞の移殖だけで治療が可能で、欧米中心に臨床報告もあります。肝酵素欠損症の多くは先天性で患者は乳幼児のため、非侵襲的な肝細胞移植は理想的な治療です。しかし移殖細胞の長期的な増殖が難しく、経過的処置に留まっているのが現状です。本研究は肝細胞を長期的に生着・増殖させて安定した治療効果をもたらす肝細胞移植手法の確立を目的としています。
(主な内容)
肝細胞の長期的な生着と安定した治療効果をもたらす肝細胞移植プロトコールの確立マウスやラットを用いた基礎研究から・・・ドナー肝細胞を生着・増殖させるためには移植時に多くのドナー肝細胞を肝機能を営むParenchymal space に入れるレシピエント(受容者)の肝細胞の再生能を可能な限り抑制させ、ドナー(移植)肝細胞を優勢的に再生させる幹細胞増殖因子 (HGF)などの肝臓の再生を促す物質をより多く放出させることが重要!中動物(ブタetc.)を用いた研究で移植するドナー肝細胞の数放射線照射の有効性再生刺激の有無について検討GFP/クサビラオレンジ標識ブタisolatuion分離Hepatocyte肝細胞蛍光タンパク質を発現するブタを用いドナー肝細胞を識別しやすくするTranslantation移殖Wild Typeブタ/FAH欠損ブタ受容者:野生型もしくは肝臓疾患のモデル動物・組織学・病理学的解析・分子生物学的解析・免疫学的解析・移植細胞数・濃度の検討・放射線照射による生着率効果の検討最適な移殖プロトコールの確立
(期待される効果・応用分野)
肝臓移植の臨床例は多く、技術も進歩しています。一方で、肝細胞移植の報告はまだ少なく移植手法が確立していません。本研究は適切な放射線照射によりドナー肝細胞の生着・増殖を促す安定的・効果的な手法を、臨床応用に近いブタを用いて検討しています。iPS細胞などの再生医療やゲノム編集を組み合わせれば拒絶反応がなく遺伝子レベルでの治療も期待できます。治療効果の高い肝細胞移植手法を確立することは、肝酵素欠損症の乳幼児に大きな意義を持つと考えて取り組んでいます。
(共同研究・特許などアピールポイント)
●さらなる研究の進展を図るため、肝酵素欠損症の研究者や遺伝子改変ブタの研究者など一緒に研究を進める方を求めています。
(コーディネータから一言)
肝酵素欠損症の治療等に活用が期待できる肝細胞移植の効果的手法の確立が目的です。研究に用いる遺伝子改変ブタの研究者や肝酵素欠損症の研究者との共同研究を希望しています。興味を持たれたらご連絡ください。
(研究分野)
実験動物学 獣医外科学
(キーワード)
肝酵素欠損症 ブタ 肝細胞移植 肝酵素欠損症
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