食品成分の安全性と機能性を探索・評価する研究
- 公開日: 2020-04-20
- 変更日: 2021-07-09
- 投稿者:鹿児島大学南九州・南西諸島域イノベーションセンター 研究・産学地域連携ユニット
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(研究の背景および目的)
私たちの身の回りには様々な化学物質が存在します。食品もまた複数の化学物質の集合体として考えることができます。食品に含まれる成分(化学物質)は、その量により人体に良い影響を及ぼすものもあれば、悪い影響を及ぼすものもあります。私たちの研究室では、食品成分の持つ機能性の探索や食中毒などの原因となる毒性物質の作用メカニズムを詳細に解析しています。食品の有用性と有毒性を解明することで、人々の健康の保持・増進に貢献することを目的に研究を行っています。
(おもな研究内容)
食品に含まれる化学物質の生体影響を正しく理解することは、食品の安全性を考える上で非常に重要な情報の一つとなります。このことから私たちの研究室では、水産物などの食品に含まれる化学物質が人体にどの様な影響を及ぼす可能性があるのか、その分子メカニズムについて細胞レベルで研究を進めています。現在、私たちが取り組んでいる研究の一つに水産物にも多く含まれるヒ素に関する研究があります。日本人の総ヒ素摂取量の約8割は海藻・魚介類などの水産物に由来するとされており、その生体影響を評価することは、水産物の安全性を考慮する上でも重要だと考えています。その一方で、水産物には、DHAやEPAに代表される有用成分も多く見出されていることから、水産物に含まれる成分の中に新規の機能性を見出していきたいと考え研究に取り組んでいます。
(期待される効果・応用分野)
食品に含まれる成分の安全性や機能性に関する基礎的な知見を得ることで、動物実験や疫学研究につなげるための基礎データとなります。動物実験や疫学研究は、動物愛護の問題や膨大な費用が必要になるなど、研究の初期段階においては非常にハードルが高いものです。一方、培養細胞を用いた試験では、厳密な生体影響を評価できないものの、比較的安価な費用で食品成分の機能性や有毒性を探索できるメリットがあります。成分を評価する研究の初期段階においては有効な研究手法になります。
(共同研究などアピールポイント)
●主にヒト由来の培養細胞を用いることにより、食品や水 産物から抽出された成分の機能評価や抗酸化能の評価を行っています。研究の初期段階で行う機能性成分のスクリーニングなどに有効です。
(コーディネーターから一言)
ヒト由来の培養細胞を用い、食品成 分の機能性と安全性を評価しています。研究の初期段階において有効な研究手法です。水産物が示す有用性と有毒性を分子レベルで解明することで、新規の機能性を見出すことも可能です。
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