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茶抽出物を用いた抗菌性貴金属ナノ粒子の開発

  • 公開日: 2020-03-18
  • 変更日: 2021-09-10
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(研究の背景および目的)
鹿児島県はお茶の一大産地で、全国2位の生産量を誇ります。茶葉にはカテキンなどの様々な有効成分が含まれており、飲料以外にも茶を利用した抗菌・消臭作用を付与した機能性材料が開発されています。私たちは茶の抽出液で、金属ナノ粒子を合成する新たな手法を開発しました。本研究では、製茶くずや商業的価値の低い茶葉、さらには出涸らしの茶葉に含まれる機能性分子と、金および銀ナノ粒子とを組み合わせた新規の機能性・高付加価値材料の開発を行っています。
(おもな研究内容)
茶葉の抽出条件とナノ粒子調製の反応条件を最適化することで,非常に簡便な方法で安定な金および銀ナノ粒子を調製することができます。さらに,得られた金属ナノ粒子には茶由来の機能性を付与することができます。
【抽出条件】
煎茶・紅茶を,水・アルコールを用いて低温(65℃〜0℃)で抽出する。抽出したあとの茶殻も利用可能(5回以上)。
【調製条件】
抽出液に重曹水を加え弱アルカリ性にしたあと,金属塩の水溶液を加える。加熱の必要は無く,10分ほどで反応終了。
10〜20 nmサイズのナノ粒子が形成
MeOH抽出液から調製したナノ粒子溶液による染色(綿布)
ナノ粒子由来の色調で染色されます
染色した綿布の抗菌力試験試
非常に高い殺菌活性を示します
(期待される効果・応用分野)
簡便・安価な方法で安定な金属ナノ粒子を調製することができます。得られたナノ粒子溶液は高濃度
なため,染料としても利用可能。ナノ粒子の発色は、構造上非常に安定した色素として利用できます。また本手法で染色した綿布は高い殺菌作用を示したことから、茶の機能性成分がナノ粒子上に集積していると考えられ,消臭・抗ウイルス効果等が期待できます。さらに金属ナノ粒子に起因する殺菌作用も示すことから,両方の性質を合わせ持った新規ナノ材料として利用することが可能です。
(共同研究・特許などアピールポイント)
特許第6562251号「金属ナノ粒子組成物の製造法」
有機合成的手法を用いた金属ナノ粒子の合成も行っています。
(コーディネーターから一言)
茶の抽出液で金・銀ナノ粒子を簡便、安価に合成する手法を開発。得られた粒子溶液は染料として利用でき、高い殺菌力を持つ繊維ができます。塗料や衛生品等、新素材の新たな用途を共同で開発する提案を求めています。
(研究分野)
材料化学,天然物化学,有機合成化学
(キーワード)金属ナノ粒子,機能性材料,染料,抗菌性

カテゴリ : シーズ(得意な技術・サービス等)
対象エリア: 国内 / 南九州 / 南西諸島域 / その他地域
有効期限 : 無期限

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