がんを標的治療する遺伝子・ウイルス医薬の開発と応用
- 公開日: 2019-05-13
- 変更日: 2021-09-08
- 投稿者:鹿児島大学南九州・南西諸島域イノベーションセンター 研究・産学地域連携ユニット
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(研究の背景および目的)
がん克服には革新的治療法の開発が急務です。薬となる遺伝子を非増殖型ウイルスベクターに乗せて、がん細胞に導入する遺伝子治療法は効果が限定的でした。がん細胞だけで増殖・殺傷する増殖型ウイルスの開発が期待されますが、作製技術の限界により性能が不十分です。我々は次世代の多因子でがんを精密に標的治療する増殖型アデノウイルス(m-CRA)の効率的な作製技術の開発に成功しました。正常な細胞を傷つけず、転移したがん細胞まで治療可能なウイルス医薬の開発を目指しています。
(主な内容)
m-CRAは、多因子でのウイルス増殖制御により、体内のがん細胞を見つけがんモデル動物での治療実験て殺していくように高度に遺伝子改変m-CRAの革新的ながん治療薬の可能性されたウイルスです。精密ながん特異化(安全性)や遺伝子搭載(治療効果増強)など従来の増殖型ウイルスとは正正常常細細胞胞癌細胞一線を画した、本邦では少ない完全オリジナルベクターです。(1)がん治療薬としてのm-CRA開発→→ウウイイルルススはは非非増増殖殖→ウイルスが増殖→→正正常常細細胞胞をを障障害害ししない殖→癌細胞を殺傷ない→癌細胞を殺傷サバイビン反応性m-CRAを第一弾のがん治療薬として医薬化を目指し、米国での臨床試験を準備中です。第二弾、コントロール第三弾の新規のm-CRAがん治療薬も開発しています。さらに、がん悪性化の本体のがん幹細胞を標的治療するm-癌細胞特異的にウイルスが増殖し癌細胞を殺す遠隔転移巣CRA技術を開発中です。(2)m-CRAベクター技術の応用:画期的な遺伝子導入ベクターとしてがん研究に限らず、種々の分子生物学研癌特異的増殖型ウイルスを腫瘍内へ注射原発巣究への応用法を開発しています。Surv.m-CRA治療※ベクター:遺伝子組換え技術に用いられる組換えDNAを増幅・維持・導入させる核酸分子。ラテン語で「運び屋」の意味
(期待される効果・応用分野)
第3次対がん10か年総合戦略事業の厚生労働科学研究「革新的な治療法の開発(平成16-25年度)」の主任研究者(班長)として、上記のがん治療法開発の研究をさらに進めています。これまでのmCRAの研究成果により科学技術振興機構「大学発ベンチャー創出推進事業(平成19-22年度)」に採択、平成22年4月にベンチャーを創業しました。臨床試験を推進するとともに、m-CRAの受託作製事業を行います。m-CRAがん治療医薬を実現することで多くの命を救うことが可能になります。
(共同研究・特許などアピールポイント)
●m-CRAベクター技術はGeneTher2005に発表、特許は国内成立(特許第4478775号)欧米出願中●Surv.m-CRAはCancerRes2005に発表、特許は日米に出願中。米国にてGLP/GMP製剤製造中で臨床試験実施予定●医薬開発での資金提供や共同開発を募集しています。
(コーディネータから一言)
がんの標的治療が可能な新技術の実用化のためにベンチャー企業「ウィック・バイオテック・ファーマ」を設立。末期・進行がん患者の症状改善も期待できます。医薬開発実現に向け、資金提供や共同開発先を求めています。
(研究分野)
腫瘍学 遺伝子治療 再生医学
(キーワード)
がん 増殖型アデノウイルス 癌特異標的治療 べクター 遺伝子治療 ウイルス医薬 癌幹細胞
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