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遺跡に残る食用資源から当時の社会状況を考察する

  • 公開日: 2019-05-13
  • 変更日: 2020-09-25
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(研究の背景および目的)
遺跡には、過去の人々の食物の痕跡が様々な形で残っています。最近の研究方法の進展によって微細な痕跡による同定が可能になり、食用の動植物利用の状況がより具体的に解明されてきています。私たちは南九州から南西諸島地域で発掘された資料を中心に食物の痕跡を解析し、その種類と様相を解明するとともに、食用動植物の利用状況から、当時の社会状況について研究を行っています。また「埋蔵文化財調査センター」では、鹿児島大学構内にある遺跡の遺構・遺物の調査を行っています。
(主な内容)
1)縄文時代から古代(およびその並行期)の住居埋土中から出土した炭化種子や土器に残されている種実類の痕跡からその種類を同定し、栽培植物の導入と普及について考察しています。2)古墳時代の集落遺跡から検出された動植物の組み合わせから、当時の生業活動や居住環境について、考察しています。トリ・イノシシ・ウサギなど動物骨住環境生業活動水洗・ふるい集落遺跡の遺構内埋土(古墳時代住居の炉内土)コメなど炭化種実類獲得方法(ex.栽培or採集or交換)土器圧痕イネ・アワ・マメ類などシリコンを注入、レプリカ作成レプリカのSEM写真遺構や遺物(ex.遺跡環境、水田跡、石包丁、狩猟具)
(期待される効果・応用分野)
弥生時代から古代において、南九州から南西諸島は日本列島における水田稲作農耕社会の南限地域であり、古代国家領域の境界が存在する地域でもあります。コメ、麦、アワなどの栽培植物は国家による租税徴収と関係するなど、栽培植物の導入と普及の様相は政治的領域と強い関係性を持っています。この地域での食用植物利用の様相が解明されることは、気候や地理的環境による異文化が接触する地域の様相を明らかにするとともに、古代日本国家の領域内外の違いを紐解くことにもつながります。
(共同研究・特許などアピールポイント)
●発掘調査での写真測量や地中レーダー探査、出土品等の土器・須恵器の検討について協力できます。●考古学からみた南九州・南西諸島の食とその変遷についての講座やセミナーでお話しできます。●本学構内には古墳時代の集落等4遺跡があります。
(コーディネータから一言)
南九州・南西諸島の縄文古代を研究。土器や食物痕跡から当時の社会を考察します。新たな発見や分析で古代史は変わります。発掘現場や遺物の検討での協力は惜しみません。情報提供・講演等のご依頼もお待ちしています。
(研究分野)
日本考古学
(キーワード)
考古学 先史時代 生業活動 南日本 古代須恵器 生産 流通

カテゴリ : シーズ(得意な技術・サービス等)
対象エリア: 選択なし
有効期限 : 無期限

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