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ブラジルアマゾンにおける日系農家の学習に関する研究

  • 公開日: 2019-05-13
  • 変更日: 2020-09-25
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(研究の背景および目的)
「学習」や「教育」とは一体なんでしょうか。「知識基盤社会」を支える社会装置としての学校は、社会構造の維持・強化・再生産に役立ちますが、「学習」の均質化をも促し、それ以外の「学習」を排除している側面があるとも言われています。一方で、農業には経験的な知や技能を生成・獲得するための「学習」が存在します。本研究はブラジルアマゾンにおける農家の学習に注目、農業実践の変遷を踏まえた上で分析・研究しています。
(主な内容)
ブラジルアマゾンにおける「遷移型アグロフォレストリー」農法の営農指導・普及に関する研究ブラジルアマゾンの日本人移民入植地トメアスでは、日系農業者が非日系家族経営農業者(小農)へ「遷移型アグロフォレストリー」農法の営農指導・普及を行っています。※「遷移型アグロフォレストリー」とは、現地の自然植生遷移をまねて草本から高木までの多様な作物を時系列で混植する栽培体系です。この農法は、アマゾンに入植した日系農業者が移住開始から80年をかけて開発し発展させたもの。自然や作物との向き合い方を現地の農家や研究者、日本の営農指導者等から学びつつ、創意工夫による検証・研究を重ねた成果で、独自のアグロフォレストリーとして確立されつつあります。焼畑・牧畜に比べ単位面積当たりの収入が高く、森林・土壌・生物多様性の保全に繋がることが既に明らかになっています。小農による圃場の変遷(’10.Ago11.Nov)筆者撮影営農指導を行う農家(上)とその圃場(下)本研究では、参与観察ならびにインタビュー調査を踏まえて日系農業者による本農法の変遷と営農指導・普及、小農による農業技術習得過程の「学習」を調査・分析しています。
(期待される効果・応用分野)
環境問題や食料不足を踏まえた持続可能な農業開発は喫緊の課題です。そこで、農業者自らが創造し実践する持続可能な農業開発と、その普及推進に関わる農家の「学習」を明らかにすることは、他地域での持続可能な農業開発の創造・普及にも応用し、役立てることができます。農法における学校教育とは異なる「学習」を研究することで、新たな学習理論の構築を図ります。社会教育・生涯学習において、社会変化に対応して動態的に発展する学習法の開発が期待できます。
(共同研究・特許などアピールポイント)
●ラテンアメリカでの調査・研究・事業に関するご相談はお任せください。●ラテンアメリカ(主にブラジル・メキシコ)に調査・留学・仕事で長期間住んでいたため、葡・西・英語が話せます。
(コーディネータから一言)
日系移民が現地に学んだアグロフォレストリー農法を研究、新たな学習理論への展開を構想中。豊富な滞在経験を下に、持続可能な農業開発への課題や、ブラジル・メキシコの現状についての講演・相談等に対応できます。
(研究分野)
社会教育・生涯学習 地域研究(ラテンアメリカ 主にブラジル)
(キーワード)
アグロフォレストリー 生涯学習 unlea 農法 アグロフォレストリー ブラジル 移民

カテゴリ : シーズ(得意な技術・サービス等)
対象エリア: 選択なし
有効期限 : 無期限

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