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ことばの意味とその力について考える

  • 公開日: 2019-05-13
  • 変更日: 2020-09-25
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(研究の背景および目的)
英語学と呼ばれる研究分野の中でも意味論、プラグマティックス*、文体論といった、「意味」を中心に扱う領域が研究テーマです。意味を扱う際には、言語音(音声学・音韻論)や語彙とその配列(形態論・構文論)、言語の歴史(言語史)といった観点から「ことば」を観察・考察します。ことばの意味の探求は、言語全体の総合的考察となります。こうした考察を学問的に積み増しながら、その知見を英語教育の教材や教育指導へ如何に有効に還元してゆけるか、が大切な課題です。
(主な内容)
*辞書的な意味を超えて、場面・状況に応じた言葉の意味も扱う言語学の一分野1.英語基本形容詞の反義関係や意味類型からみた語彙の意味の程度性(gradability)について反義形容詞に(程度)副詞をつけてみる:例えば、almostdeadとalmostaliveを比べた場合、なぜ片方に違和感が生じるのだろう?具体的場面や状況がからむとどう変わるのだろう?2.英語基本名詞の使い方にみられる言語形式上の単・複数形の選択と人間の認識との対応について例えば、英語のcatは通例冠詞付きのcatか複数形のcatsとして出現するが、無冠詞のcatはどんな猫?3.現代英語の2種の属格表現(A’sBとBofA)にみられる認識上の意味の違いについて例えば、2種の表現が許されるthelegofthechairvs.thechair’slegの場合、どう使い分けるのだろう?4.英語散文の対照文体論的考察英米同時代作家(例えばS.モームとO.ヘンリー)の作品から受ける印象の差は言語的にどんな面から?5.英語演説の対照文体論的考察社会をも変え得る力のある言葉には(M.L.KingJr.やN.Mandela等)どんな特色があるのだろう?6.高校英語教科書の題材分析極めて多岐に亘る題材が使われているが、ほとんど未開拓と思われる題材分野はあるだろうか?7.共通実力テストに基づく大学生の英語に関する誤用分析とそれに基づく英語力補強教材の開発(教育センターの組織的課題の一つ)センター入試対策等では見落とされがちな英語力、基本的な英語の弱点とは、どんなものだろう?8.米国言語学者・人類学者E.サピア(18841939)の諸論考の内容吟味とその言語教育への応用可能性例えば、TheCollectedWorksofEdwardSapir(MoutondeGruyter社刊、とりわけvol.1:GeneralLinguisticsとvol.III:Culture)の吟味とその文体・思想の考察。ならびに(語学)教育への応用。
(期待される効果・応用分野)
1英語や日本語、その他の言語の意味構造・意味機能に関するより良き理解が可能(上記13)。2小説や演説の文体から、作家や話者の個性へもアプローチする考察。ことばに宿る力に対する洞察力を高め、学習者の言語理解・表現力の向上へと繋げる(上記45)。3英語学習者の学力向上に資する新しい教材開発、指導方法に繋がる(上記18)。個人に拘ったサピアに倣い、「個」と対峙する感性を磨く英語教育に結び付けたいと考えています。
(共同研究・特許などアピールポイント)
●教育センター外国語教育推進部(部長:富岡龍明教授)では、平成20年度より学士課程の本格的な英語教育改革に取り組んでいます。共通実力テストの実施結果や習熟度別クラス編成に合わせた、推奨テキスト制度の維持・管理などを通じて学力推移の経過観察や教育・学習環境の改善等に努めています。
(コーディネータから一言)
言語学・語学教育に従事する方との意見交換を求めています。教育センター全体の英語教育改革の取組みとしては、本学オリジナルテキストの開発も目指すところです。23年度からは高校生向け出前授業をスタートしました。
(研究分野)
英語学 英語教育 応用言語学
(キーワード)
英語学・応用言語学 意味論 プラグマティックス 文体論 教科書分析 英語の誤用分析 エドワード・サピア

カテゴリ : シーズ(得意な技術・サービス等)
対象エリア: 選択なし
有効期限 : 無期限

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