焼酎製造に用いられる麹菌の生命現象を解明する
- 公開日: 2019-05-13
- 変更日: 2021-08-11
- 投稿者:鹿児島大学南九州・南西諸島域イノベーションセンター 研究・産学地域連携ユニット
- お気に入り件数:0
- 閲覧数:717
(研究の背景および目的)
麹菌は酒、味噌、醤油など発酵食品の製造に不可欠な微生物です。焼酎製造に用いられている麹菌は、おもに白麹菌と黒麹菌で、アミラーゼやグルコシダーゼなどの糖質加水分解酵素を多量に分泌することで、原料の穀類に含まれるデンプンをブドウ糖に分解しますが、クエン酸を高生産するという特徴もあります。これらの性質を遺伝子レベルで解明し、より有効に活用すること、新たな用途を見出すことを目指して研究を進めています。
(主な内容)
現在取り組んでいるおもな研究内容は、以下の2つです。
1)白麹菌と黒麹菌のクエン酸高生産能に関わると推定される遺伝子の機能解明
2)イオンビーム照射による変異誘発を利用した有用黒麹菌の育種とその原因遺伝子の機能解明
(期待される効果・応用分野)
焼酎麹菌は日本の伝統的発酵食品製造に用いられる身近な菌ですが、遺伝子レベルでの研究が容易になったのは最近です。麹菌の能力に関わる遺伝子の機能を解明することで、クエン酸だけでなく他の有機酸やタンパク質などの有用物質の生産へ利用できる可能性が期待されます。このような微生物は食品産業での製品の多様化や高機能化、改良に活用できるほか医薬品開発へも応用できると考えられます。麹菌だけでなく様々な微生物の改良に役立つ研究を行っています。
(共同研究・特許などアピールポイント)
●焼酎麹菌の他には、焼酎酵母、嫌気性細菌などを取り扱っています。微生物に関連することについてご質問やご要望などのある方は、是非、ご相談ください。
(コーディネータから一言)
麹菌を始めとする微生物の専門家。微生物の機能を改変・改良する研究を進めています。醸造業などの食品産業や医薬品開発分野で、微生物の有効活用を考えている企業等に、協力できます。ご相談をお待ちしています。
(研究分野)
応用微生物学
(キーワード)
微生物 焼酎 麹菌 有機酸 糖質加水分解酵素 有用物質生産
(ご注意)
◯ コメントは公開されます。秘密情報の取り扱いには十分お気をつけください。◯ 非公開で投稿者と連絡を取るには、右の[個別メッセージ]機能を利用して下さい。
個別メッセージ
ニーズ・シーズ投稿者と個別のメッセージ交換を行えます。
関連するニーズ・シーズ
-
- 投稿者:鹿児島大学南九州・南西諸島域イノベーションセンター 研究・産学地域連携ユニット
- お気に入り件数:0
- 閲覧数:749
河畔植生の種多様性と保全に関する研究
シーズ(得意な技術・サービス等) 2019-05-13【研究の背景および目的】 植生(=ある地域に生えている植物群)は生態系の基盤です.特に河畔植生は、河川環境に適応した独特な植物がみられ、生物の多様性が大きく、環境を調節する機能があることなどから注目される植生です。しかし、多くの河川ではダムや護岸といった河川改修が行われたことから、河畔植生は減少あるいは変質しています。本研究は、植生の動態および種の生態や共存のしくみを明らかにすることで、河畔植生の成り立ちと保全を考えるものです。 【おもな研究内容】 ●河畔植生の動態と種多様性 河畔植生は、洪水や...
-
- 投稿者:鹿児島大学南九州・南西諸島域イノベーションセンター 研究・産学地域連携ユニット
- お気に入り件数:0
- 閲覧数:961
音声信号の抽出、保存、および合成
シーズ(得意な技術・サービス等) 2019-05-13(研究の背景および目的) もし小学生にこう問いかけられたら、答えられますか。「音声と物音の違いはなあに?」違いを分ける音声信号の正体は、実はまだわかっていません。本研究は、人の喉笛で作られたただのうなり声が、音声として知覚されるメカニズムを紐解くものです。脳が認識するのは音声波形の中のごく一部の情報。計測した音声波形から、音声として知覚されるための最小限度の構造(=音色の設計図)を導き出します。広大で未だ手つかずの音響・音声機器市場の開拓を推進することが可能です。 (主な内容) 音には「大きさ」...
-
- 投稿者:鹿児島大学南九州・南西諸島域イノベーションセンター 研究・産学地域連携ユニット
- お気に入り件数:0
- 閲覧数:468
歯科治療ロボットの開発
シーズ(得意な技術・サービス等) 2019-05-13(研究の背景および目的) 歯科治療において、歯の切削は歯科修復物製作の出発点であり、その仕上がりは以降の全ての工程に大きな影響を及ぼします。歯科CAD/CAMシステムやジルコニアセラミックスのような新しい技術や材料の利点を最大限に生かすには、切削精度を向上させる必要があります。医科では様々な手術用ロボットが開発され、実用化されていますが、歯科では治療用ロボットの研究がほとんど進んでいません。本研究は、歯の切削を自動で行う歯科治療ロボットの開発を目的としています。 (主な内容) 本研究は歯の切削の...