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河畔植生の種多様性と保全に関する研究

  • 公開日: 2019-05-13
  • 変更日: 2022-06-30

【研究の背景および目的】
植生(=ある地域に生えている植物群)は生態系の基盤です.特に河畔植生は、河川環境に適応した独特な植物がみられ、生物の多様性が大きく、環境を調節する機能があることなどから注目される植生です。しかし、多くの河川ではダムや護岸といった河川改修が行われたことから、河畔植生は減少あるいは変質しています。本研究は、植生の動態および種の生態や共存のしくみを明らかにすることで、河畔植生の成り立ちと保全を考えるものです。

【おもな研究内容】
●河畔植生の動態と種多様性
河畔植生は、洪水や土石流といった河川の撹乱作用が植物の種多様性の維持に大きく関係しており、撹乱に依存した植物によって構成されています。河畔植生における植生の動態、種の生活史と河川の変動性との関係を研究することから、河畔植生の種多様性が維持されるしくみを明らかにしていきます。
●河畔植生における外来種
河畔植生には多くの外来種(植物)が生育しており、その一部が在来種に及ぼす影響が危惧されています。しかし,そうした影響の評価・予測の材料となる基礎的な知見は不足しているのが現状です.
本研究では、外来種が在来種に対してどのような影響を及ぼすのかを評価し、効果的な保全策を検討しています。
●植物を用いた環境教育
校庭には雑草として意外と多くの草本植物が生育しています.このような校庭の植物には河川敷や海岸などでみられるものが少なくなく,自然への興味と理解を深めるための教材として有効である可能性があります.そこで、校庭の植物を環境教育や理科教育で活用するための研究を進めています.

【期待される効果・応用分野】
植生は生態系の基盤であり、自然の状態で多くの生物が共存できる場である河川は重要な存在です。河川生態系を保全するためには、河畔植生の動態や植物の生活史に関する基礎的知見が不可欠です。さらに外来種の影響に関する知見を総合することによって、地域の自然環境保全、復元、管理に対して適切な指針を提示することが可能になります。また、身近な植生・植物を用いた環境教育を実践することで,生物多様性への認識を高める効果も期待できます。

【共同研究・特許などアピールポイント】
●植生は環境教育における格好の題材です.植生の観察・調査・研究を行うことによって生態系や生物多様性に関する理解を深めることができます。

【コーディネーターから一言】
多様性が大きく、環境調節機能がある河畔植生を研究。地域本来の自然植生を考慮した緑化や環境保全活動に協力できます。自然観察、植物観察など住民向けの環境教育、セミナーの実施にも協力できます。ご相談ください。

研究分野: 植生学、植物生態学
キーワード:植物、河畔植生、植生動態、種多様性、河川、保全、外来種、環境教育

カテゴリ : シーズ(得意な技術・サービス等)
対象エリア: 国内 / 南九州 / 南西諸島域 / その他地域
有効期限 : 無期限

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