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歯科治療ロボットの開発

  • 公開日: 2019-05-13
  • 変更日: 2020-09-25
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(研究の背景および目的)
歯科治療において、歯の切削は歯科修復物製作の出発点であり、その仕上がりは以降の全ての工程に大きな影響を及ぼします。歯科CAD/CAMシステムやジルコニアセラミックスのような新しい技術や材料の利点を最大限に生かすには、切削精度を向上させる必要があります。医科では様々な手術用ロボットが開発され、実用化されていますが、歯科では治療用ロボットの研究がほとんど進んでいません。本研究は、歯の切削を自動で行う歯科治療ロボットの開発を目的としています。
(主な内容)
本研究は歯の切削の自動化を目指していますが、無人運転は意図しておらず、歯科医師の管理・監督の下で自動切削を行うことを前提としています。また、図1に示すフルデジタル歯科CAD/CAMシステムのコンセプトに基づき、従来の歯科CAD/CAMシステムとの統合を最終的に目指しています。口腔内での切削の自動化には様々な課題があります。中でも安全性の確保は最も優先されるべき課題であるため、患者さんの急な動きなどの緊急事態を想定した様々な安全機構を検討しています。また、歯を削る範囲は、歯の形や大きさ、ウ蝕の範囲、あるいは修復に用いる材料などによって異なってくるため、条件に合わせた切削形状の設計法の開発が不可欠です。本研究では、歯の特徴点を基準とし、円弧やベジエ曲線などの幾何要素を一定のルールに基づいて配置することで、滑らかで最狭部まで工具が到達可能な形状を設計する方法を考案しています。さらに、従来のハンドピースによる切削では明確な基準が無かった切削条件や切削手順について、条件の最適化や制御方法の検討を行っています。現在、図2に示す歯科治療ロボットの開発を進めています。デジタル切削デジタル印象デジタル設計従来型歯科CAD/CAMシステムフルデジタル歯科CAD/CAMシステムデジタル製作図1フルデジタル歯科CAD/CAMシステムのコンセプト
(期待される効果・応用分野)
図2開発中の歯科治療ロボット歯科治療ロボットの効果として、歯の切削精度の向上とばらつきの減少が考えられます。その結果、歯科修復物の適合精度が向上し、装着後の脱落や破損、二次ウ蝕などのトラブルの減少が期待されます。さらに、従来の歯科CAD/CAMシステムと統合することで、歯の切削から修復物の製作までの全ての工程がデジタル化され、コンピュータ支援のメリットが最大限に発揮されると期待されます。また、切削条件の最適化や歯学教育システムへの応用など、派生効果も大きいと考えられます。
(共同研究・特許などアピールポイント)
●国際公開番号WO2011/030906「歯牙切削装置および方法」
(コーディネータから一言)
歯を自動的に削る装置及び削る範囲の設計法で国際特許を出願。歯科CAD/CAMとの統合を視野に入れて治療ロボットの開発を行っています。実用化に向け、工学系の研究者や国内外のメーカーのご協力を求めています。
(研究分野)
歯科生体材料学 歯科理工学
(キーワード)
歯科器械 歯科治療ロボット 歯科CAD/CAM 歯科器械 歯科切削

カテゴリ : シーズ(得意な技術・サービス等)
対象エリア: 選択なし
有効期限 : 無期限

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