江戸時代における文芸や学問の実態について
- 公開日: 2019-05-13
- 変更日: 2020-09-25
- 投稿者:鹿児島大学南九州・南西諸島域イノベーションセンター 研究・産学地域連携ユニット
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(研究の背景および目的)
研究の目的は、江戸時代の文芸や学問の実態を江戸時代の資料を使って解明することです。そのた めに国内外を問わず、図書館だけでなく各家庭の土蔵に眠る新資料を探しています。また江戸時代以前の書物(古典籍)を調査して、その資料的価値を見出しています。さらに教育の 一環として「くずし字(変体仮名)」の読解力や古典籍の扱い方を学ぶ、「和本リテラシー」を学生 に教えています。日本の古典籍を次世代に受け継ぎ伝えることも大切なテーマです。
(主な内容)
1)江戸時代の学者の実態を研究しています。江戸時代の学者のことを知るには江戸時代の学者が書いた作品や日記、 学者同士で交わした書翰を調べるのが近道です。現在、台湾大学(中華民 国)に残されている長沢伴雄(ながさわともお)という江戸時代の学者の日記 を分析して、当時の勉強の仕方や江戸時代の人の考え方を研究しています。2)江戸時代後期の文芸や学問を研究しています。江戸時代には現在と同様にさまざまな文芸や学問が盛んに行われていま した。当時の人たちが和歌(今の短歌)や俳諧(今の俳句)にどのように楽しみ、共有していったのか、またどのように古典を研究していたのかを江戸時 代の資料を用いて調べています。3)国内外に保存されている日本の古典籍(和本)を調査し ています。古典籍は、現在私たちが確認できている古典籍の倍以上の数が未調査で あると推定されています。しかし、古典籍に使われている文字(くずし字・変体仮名)を読める人が少ないので、価値を見いだせず「ゴミ」として廃棄されてい る現状があります。先人の遺産を受け継ぎ、保存していく大切さを「和本リテ ラシー」を通して学生に教えています。
(期待される効果・応用分野)
現在、日本の伝統的な言語文化である「くずし字(変体仮名)」が失われようとしています。つま り明治初頭まで1000年以上使われていた文字である「くずし字」を、いまの日本人のほとんどが読めません。そのために日本の古典籍(和本)が各地で廃棄されるケースが出てきています。学生に対してだけでなく、小・中学校でも伝統を受け継ぐ教育の一環として「くずし字講座」など を行い、子供たちが伝統的な文字と親しむことで日本の言語文化を次世代に伝えたいと考えています。
(共同研究・特許などアピールポイント)
●個人宅や地域に残される古文書や古い書籍が あったらご連絡ください。整理や学術調査を行う ことができます。 ●小中学生がくずし字をゲーム感覚で学べる教授 法を、学生たちと共同で考案しています。
(コーディネータから一言)
日本の伝統的言語文化を次世代に受け継ぐことに注力。「くずし字」は基本を学ぶとすぐ に読解力が身に付きます。小中学生の課外授 業を提供できます。一般の方へのくずし字講 座や古文に関する講座等にも対応します。
(研究分野)
日本近世文学(江戸文学) 古典学 書誌学
(キーワード)
国文学 国学 和歌 古典籍 和本リテラシー 長沢伴雄 台湾
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