クラウン系ミニブタにおける体細胞クローン技術の確立
- 公開日: 2019-05-13
- 変更日: 2021-08-20
- 投稿者:鹿児島大学南九州・南西諸島域イノベーションセンター 研究・産学地域連携ユニット
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(研究の背景および目的)
鹿児島大学で開発・維持されているクラウン系ミニブタは、我が国唯一の近交系ミニブタです。本研究は、遺伝子を改変したクラウン系ミニブタを作出し、医学・生物学の分野で広く活用できないかという課題から始まりました。現時点で遺伝子改変動物を得る最も現実的な方法は、遺伝子改変した体細胞の核を除核未受精卵に移植してクローンを作出することです。このような背景から、私たちはクラウン系ミニブタの体細胞クローンを作出する技術を確立しました。
(主な内容)
活性化は、クローン胚の発生を誘起するために必須の処理である。ブタにおいては、直流パルスを印加する電気活性化法が一般的に用いられてきたが、私たちは超音波照射による新規の卵子活性化法を開発し、これを用いてクラウン系ミニブタの体細胞クローンを作出することに成功した。同法を用いて、外来遺伝子を導入あるいは内在遺伝子を欠失した体細胞に由来するクローンを作出することにより、遺伝子改変ミニブタを得ることが可能となる。
(期待される効果・応用分野)
クラウン系ミニブタには、解剖学的・生理学的にヒトとの類似点が多く見られます。そのため、本研究において確立された体細胞クローン技術を用いて、遺伝子を改変したクラウン系ミニブタを作出することにより、以下のような目的に利用できると考えられます。1.医薬品開発における実験動物2.病気治療法の確立における疾患モデル動物3.移植医療における代替臓器提供動物
(共同研究・特許などアピールポイント)
●特許>第4774514号
発明の名称:超音波による卵子またはクローン胚の活性化方法ならびに該方法により活性化したクローン胚からのクローン動物の作出
(コーディネータから一言)
本学で開発したクラウン系ミニブタから遺伝子改変ミニブタを作る技術を確立。医薬品開発、疾患モデル、代替臓器などへの用途が考えられる魅力ある技術です。f
(研究分野)
家畜繁殖学 動物発生工学
(キーワード)
クローン 体細胞クローン 卵子 精子 受精卵 体外成熟 体外受精 体外培養
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