離島・へき地看護師のための教育・研修システムの開発
- 公開日: 2019-05-13
- 変更日: 2020-09-25
- 投稿者:鹿児島大学南九州・南西諸島域イノベーションセンター 研究・産学地域連携ユニット
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(研究の背景および目的)
医師の常駐が難しい離島・へき地においては、看護師が常駐する唯一の医療従事者であるケースが多く、住民にとって非常に大きな存在意義を持ちます。住民が住み慣れた地域で最期まで健康に暮らすためには、治療だけでなく予防と健康管理も担う看護師の力が重要。無医地区に常駐する看護師の能力を最大限に引き出す教育・研修システムを構築することが求められています。医師の確保のみに奔走することから、他の医療従事者の力を引き出す施策の実施に視点を変える時期に来ています。
(主な内容)
医師の常駐が難しい離島・へき地の診療所で、住民の健康管理に携わっている看護師がどのような業務を行っているのか、また、離島・へき地の住民がどのような健康ニーズを持っているのかを調査します。さらに、看護師が無医地区でナースプラクティショナー(診療看護師)として自律して高度な実践を行っている韓国と米国においても調査を行い、看護師が自律して働くには何が必要かを明らかにします。そして、分析した内容から、離島・へき地看護師のための教育・研修システムを、鹿児島大学医学部・歯学部附属病院および鹿児島県保健師、十島村保健師の協力を得ながら共に開発し、離島・へき地独自の保健医療システムの構築をめざします。鹿児島県のハブ対策事業としてハブ咬症の研究も行っています。離島・へき地独自の保健医療システムの構築をめざす鹿児島県保健師十島村保健師鹿児島大学医学部鹿児島大学医学部・保健学科歯学部附属病院離島・へき地看護師のための教育・研修システム【海外調査】諸外国の高度実践看護師の業務・韓国保健診療員・米国ナースプラクティショナー【国内調査】離島・へき地の看護師の業務・鹿児島県十島村・長崎県五島地区
(期待される効果・応用分野)
十島村の有人5島に各一週間滞在し、看護師が行う業務の実態把握を始めました。国内調査とともに高度実践看護師の先進国である米国・韓国の実情を調査し、教育・研修システムの構築に着手します。鹿児島大学病院と県など自治体の協力を得て、無医地区の看護師のための教育・研修システムを実行できれば、看護師の活躍による費用対効果の高い保健医療を住民に提供することができると考えます。医療費削減や看護師の地位向上に貢献し、国内だけでなく発展途上国への応用も期待できます。
(共同研究・特許などアピールポイント)
●韓国のソウル大学、高麗大学、および米国のケースウエスタンリザーブ大学、ニューヨーク大学などと共同研究を行う予定です。●地域の看護師対象の国際フォーラムと教員対象の国際セミナーを、定期的に開催しています。
(コーディネータから一言)
無医地区で医療を担う看護師が十分に能力を発揮できる教育・研修システムの開発をめざします。鹿児島県の協力を得て、独自の保健医療システムを構築することが目標。医療費削減や他の過疎地への応用も期待できます。
(研究分野)
基礎看護学 国際看護学 看護教育学 看護倫理学
(キーワード)
看護師養成 国際 人的資源 看護教育 看護業務 医療の安全 看護倫理
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