大気中のCO2濃度、浮遊微粒子等の高精度な環境計測
- 公開日: 2022-07-12
- 投稿者:鹿児島大学南九州・南西諸島域イノベーションセンター 研究・産学地域連携ユニット
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【研究の背景および目的】
地球温暖化への対処には大気に含まれる温室効果ガス量の正確な把握が重要です。現在、温室効果ガスの計測を行うGOSATシリーズなどの観測衛星は周回衛星のため、一定箇所の温室効果ガスの継続的な計測は困難です。そこで私たちは東京や南鳥島等に共同研究で開発した機器を設置、定点のCO2カラム量(地上から成層圏までのCO2分子量/1平方cm)を計測して、衛星観測データとの比較・検証を行っています。CO2以外の浮遊微粒子(PM)を地上で測定する小型計測器の開発も進めています。
【おもな研究内容】
●大気層を通過する太陽光内に含まれるCO2スペクトルを分析することで、観測時のCO2濃度を見積もりました。
●「ひまわり8号」の画像解析後のPM分布(Aerosol OpticalDensity(AOD)分布)データと地上に設置した小型浮遊微粒子計測器による計測結果との比較を進めています。
【期待される効果・応用分野】
高精度な環境測定を目指す公的事業での共同研究で、計測器の制御系や解析プログラム開発を担当して計測器を共同開発しています。その関係で企業等から依頼され、分子分光計測器の解析プログラム開発を行っています。特に、1pptレベルの計測が可能なCavity RingdownSpectroscopy(CRDS)をJAXAや神栄テクノロジー㈱等と共同で開発した実績があります。製造ラインなどのガス内の微量な不純物計測や大気中のCO2分子の数PPMの変化を計測するシステム開発等への助言が可能です。
【共同研究・特許などアピールポイント】
●JST先端計測「CO2大気カラム密度自動測定装置の活用・普及促進」、JAXA宇宙探査イノベーションハブ「ガス中微量水分計の小型・軽量・ロバスト化技術の研究」、環境省委託事業(東京計測)有識者会合などの事業で、共同研究を行ってきました。
【コーディネーターから一言】
正確な環境計測を可能にする最先端の計測器の解析プログラムを開発。共同研究でpptレベルの感度を持つガス分析装置を開発しました。気体中の微量な物質を計測するシステム開発等に分子分光学の観点からの協力が可能です。
研究分野:環境計測、リモートセンシング
キーワード:温室効果ガス、浮遊微粒子(PM)、リモートセンシング、微小量計測
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