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鉄基機能材料の磁気特性及び化学結合状態の解明

  • 公開日: 2022-06-30
  • 変更日: 2023-01-12

【研究の背景および目的】
「鉄」は、地球で最も埋蔵量の多い元素で、構造材料から機能性材料まで様々な化合物に含まれています。これら材料の研究・開発において機能特性を評価するためには、原子レベルでのエネルギー状態を観測することが重要です。私たちは、Feガンマ線メスバウア分光法という手法を用いて、鉄化合物中の「鉄」の磁気的・化学的特性を明らかにすることができます。これまで永久磁石や磁気冷凍材料の機能特性を評価し、そのメカニズムの解明に取り組んでいます。

【おもな研究内容】
環境負荷の小さい電気自動車、風力発電のモーターに用いられる希土類鉄永久磁石の開発
フロンガスフリーで環境負荷を低減して冷凍できる磁気冷凍材料の開発
鉄鋼材料リサイクルのための固溶元素の析出挙動に関する研究

Feガンマ線メスバウア分光法で分かること
結晶中のサイトにおける鉄の配置
材料の化学特性(各サイトの核異性体シフト、四重極分裂等)
材料の磁気特性(各サイトの内部磁場)

これまでの成果
希土類鉄磁石粉末の合成プロセスにおける特殊環境(強磁場)が及ぼすメカニズムを解明
希土類鉄磁石が分解する過程の強磁場が及ぼすメカニズムを解明
磁気冷凍材料候補物質の複数サイトにおける鉄の配置や、化学特性の温度変化を明らかにした

【期待される効果・応用分野】
これまで研究成果の多くを特許につなげ、産業応用との関連付けを積極的に行っています。新規金属材料開発に限らず、環境試料等、学際的に研究対象を広げています。メスバウア分光装置は、鉄原子近傍の電荷分布、内部磁場等、微視的観測に適しているため、鉄基機能材料の新素材評価に利用できます。本装置は金属材料以外にも、鉄を含有する土壌、鉄酸化物試料等も分析可能。共同利用施設である本部門は学内外から多くの依頼測定の実績があり、データ解釈等研究支援も行なっています。

【共同研究・特許などアピールポイント】
●磁石材料の製造方法、リサイクル法に関する特許を多数取得。焼酎酵母の強磁場での発酵制御に関する特許等、地元密着の研究も行っています。
●施設には放射能関連装置も整備。放射性物質の測定や放射線を利用した種子や菌等の改質試験も実施しています。

【コーディネーターから一言】
金属材料・磁場の研究者として新規材料開発や評価、食等異分野への展開を行っています。共同研究等お問合せください。アイソトープ実験部門は企業等学外への共用推進を積極的に行い、地域との共創拠点を目指します。

研究分野:環境調和材料・省エネルギー材料研究
キーワード:強磁場、磁気機能性材料、磁気冷凍材料、希土類鉄永久磁石、メスバウア分光法

カテゴリ : シーズ(得意な技術・サービス等)
対象エリア: 国内 / 南九州 / 南西諸島域 / その他地域
有効期限 : 無期限

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