ディーゼル燃料としての動・植物油およびバイオアルコールの利用
- 公開日: 2019-05-13
- 変更日: 2021-07-12
- 投稿者:鹿児島大学南九州・南西諸島域イノベーションセンター 研究・産学地域連携ユニット
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(研究の背景および目的)
動・植物油から製造されるバイオディーゼル燃料(BDF)の活用、および種々の有機物から発酵により製造されるバイオアルコールをディーゼル燃料として利活用することが本研究の目的です。BDFやバイオアルコールはライフサイクルCO2削減に寄与できる含酸素燃料であり、排ガスをクリーンにします。現在、BDFとしては、パーム油、ココナッツ油、ヒマワリ油、およびそれらの廃食用油を原料にした燃料を、バイオアルコールとしては、バイオブタノールを研究対象としています。
(主な内容)
事例:1パーム油BDFの流動点改善BDF製造に高炭素数アルコールを用いて改善・ブタノールを用いてBDF(ブチルエステル、イソブチルエステル)を製造することで、流動点を40℃まで下げることが出来るBDF製造に用いるアルコールパーム油BDF流動点Cメタノールメチルエステル(通常のBDF)14.0エタノールエチルエステル8.01-プロパノールプロピルエステル6.01-ブタノールブチルエステル4.02軽油に1-ブタノールを混合し、ディーゼル排ガス中の黒煙低減・ブタノールの混合割合20%で黒煙は半減する20BMEPMPa0(低負荷)150.170.34(中負荷)0.500.67(高負荷)102000rpm5黒煙(Opacity)%イソブタノールイソブチルエステル0.01-ペンタノールペンチルエステル4.0(注)流動点は1℃刻みで測定ブチルエステルやイソブチルエステルのディーゼル燃焼特性は通常のBDF(メチルエステル)とほぼ同じ0010203040501-ブタノール混合割合mass%バイオブタノール(1-,2-,イソブタノール)は種々の有機物から発酵によって製造できる
(期待される効果・応用分野)
パーム油BDFは流動点が高い(低温で凝固する)ために冬季使用は困難でしたが、ブタノールを用いて製造することで冬季使用が比較的容易になります。バイオブタノールの高効率製造法が開発されれば、バイオブタノールによる低温流動性に優れたBDF製造が可能となり、また、バイオブタノールの混合利用により排ガス中の黒煙低減が可能となります。バイオ燃料は低コスト化が課題ですが、この課題を解決することにより、低炭素・循環型社会の構築に大きく寄与することができます。
(共同研究・特許などアピールポイント)
●現在、主に実用化が有望なバイオ燃料を中心に研究中。廃プラスチックの分解油や難燃焼の炭化水素油等、ディーゼル燃料等への可能性があるものは研究対象にしたいと考えています。
(コーディネータから一言)
BDFとバイオブタノールを研究対象に、より高品質で環境負荷が低いディーゼル燃料を研究。実用化に向け様々な検討を行っています。今後はパームやヒマワリの品種改良等、農工連携による共同研究も希望しています。
(研究分野)
バイオ燃料 ディーゼル代替燃料
(キーワード)
バイオ燃料 バイオディーゼル燃料 ブチルエステル バイオブタノール 燃焼・排ガス特性
(ご注意)
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