歯科治療中の脳波・自律神経解析と音楽聴取の有用性の検討
- 公開日: 2019-05-13
- 変更日: 2023-05-08
- 投稿者:鹿児島大学南九州・南西諸島域イノベーションセンター 研究・産学地域連携ユニット
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(研究の背景および目的)
歯科治療は、痛み・治療騒音・不安・緊張に起因するストレスによって、自律神経活動が急激に変動し全身偶発症を引き起こす可能性の高い医療行為です。私たちは患者さんのストレスを客観的に定量化することと、自律神経活動の急激な変動を予測することを目的に、歯科治療中の脳波と自律神経の変動をリアルタイムに測定し、解析する技術開発を行っています。また本技術を用いて、自律神経変動による全身偶発症を防ぐための歯科治療中の音楽聴取の有用性についても検討を行っています。
(主な内容)
1.患者の歯科治療時のストレスの定量化 自律神経と脳波の計測により歯科治療時のストレスを定量化することができる可能性があると考え、検討を行っています。2. 歯科治療中の自律神経変動を予測できるパラメータの探索 歯科治療時の自律神経の変動と脳波の変動をリアルタイムに計測することで、患者さんの自律神経の変動を予測するパラメータ(変動要素)の探索を行っています。3. 音楽聴取が自律神経の変動に与える影響の検討 聴覚刺激により、自律神経活動は変動します。我々は、自律神経活動の急激な変動を防ぐことを目的として、音楽聴取の有用性の検討を行っています。
(期待される効果・応用分野)
自律神経と脳波の変動を解析する当科の技術は、ストレスを評価し全身偶発症を予見する可能性があります。歯科治療中のストレス軽減および聴覚刺激の減弱を目的とする、治療機器やオーディオ機器、骨伝導利用装置の開発分野において応用可能と期待されます。当科は同意を得た患者さんで治験を行いデータ収集を続けています。個人差の大きい治療時のストレスを可視化、また音楽聴取の影響を科学的に分析する研究は独自性が高く、より良い治療環境を実現する商品開発に役立つと考えています。
(共同研究・特許などアピールポイント)
●国際学会、国内学会での発表、論文発表など積極的に行っています。(Yamashita et.al. InteationalSociety forAutonomicNeuroscience 2017, Nagoya, Japan )●共同研究や受託研究先を募集しています。●本研究は科学研究費の助成を受けて行っています。
(コーディネータから一言)
歯科治療時の脳波と自律神経の変動を解析する独自の技術で、ストレス評価や変動予測、音楽の有用性を研究中。治療機器や音響機器との連携を希望しています。ニーズに即した臨床データを収集可能な点も当科の強みです。
(研究分野)
歯科麻酔学 脳波 自律神経 音楽
(キーワード)
歯科治療 歯科 脳波 自律神経 心理 音楽
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