廃糖蜜を原料とした 新規糖回収方法の開発
- 公開日: 2020-10-20
- 投稿者:鹿児島県工業技術センター 企画支援部
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概要
国内の製糖工程で副産物として排出される廃糖蜜は約40%の糖を有していますが,ミネラル分が高濃度でかつ高粘性のため,そのままでは飼料など,使用用途が限られます。そこで,製糖副産物である廃糖蜜から糖をより回収する方法として,エタノールを用いた新たな糖回収方法を開発しました。
[糖回収装置の試作と回収条件の設定]
製糖工場から提供された廃糖蜜(糖濃度38%)と水を重量100:50で混合した希釈糖蜜(糖濃度27%,水分50%)を試料とし,糖の回収溶媒として糖の非溶媒である99.5%エタノールを使用して,糖の回収について検討しました。
希釈糖蜜から糖を回収するための試作器を作成し(図1),表1の①~⑤について,検討を行いました。その結果,図2に示すような条件で,より多くの中間層(糖層)が得られました。
[回分式での糖回収試験]
上記で設定した条件に加え,間欠操作(一定時間中間層をつくり,その後中間層を分離する操作)を追加した回分式の回収試験を実施しました(表2)。間欠操作を2時間(1時間×2回)繰り返すことで,糖濃度27%の希釈糖蜜60mL(含有糖=16.0g)から6.0gの糖を回収し,希釈糖蜜中の糖の37.5%(廃糖蜜中の糖の約4割)を回収できました。
いちおし
製糖副産物の廃糖蜜から,糖の非溶媒であるエタノールを用いて,廃糖蜜中の糖の約4割を回収することができました。
キーワード
廃糖蜜,糖回収,非溶媒,回分式
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