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「香り」による自律神経系調節の神経メカニズム

  • 公開日: 2019-05-13
  • 変更日: 2020-09-25
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(研究の背景および目的)
種々の香りを嗅ぐことで多様な感情・気分の変化が起こり、同時に循環(心拍数や血圧等)や呼吸、発汗といった自律神経応答が現れることを、私たちは経験的に知っています。しかしながら嗅覚の解明は遅れていて、これらの応答を引き起こす脳内の神経メカニズムについての科学的な研究はまだ始まったばかりです。私たちの研究チームでは、ヒトとよく似た嗅覚中枢を持つラット、マウスをモデル動物に用いて、「香り」と「情動・自律神経応答」を結びつける神経回路を研究しています。
(主な内容)
嗅覚中枢における自律機能領域のマッピング自律機能領域への匂い入力マッピング匂い刺激による自律神経応答・情動応答の記録嗅覚二次中枢(嗅皮質)内で各種自律神経応答を惹起する部位を同定する。嗅球ニューロンの逆行性標識嗅皮質自律応答部位へ入力する一次嗅覚中枢(嗅球)ニューロンの同定匂い刺激に対する自律神経応答、嗅覚中枢反応、自律中枢反応を記録・観察する。嗅皮質微小刺激に嗅皮質におけるよる動脈圧変動昇圧領域マップ自律神経・情動行動を惹起する匂いの当たりがつく!匂い刺激による動脈圧と呼吸パターン変動
(期待される効果・応用分野)
これまで科学の言葉で語られることの少なかったアロマテラピーを、脳科学(特に神経理生理学)の視点で解明していきたいと考えています。香りによる身体反応の根拠を検証する本研究により、より効果的に情動や自律神経系を調節できる「香り」の探索や開発が可能になることが期待されます。将来的には、高血圧や頻脈といった循環系疾患、発汗異常、睡眠障害等の緩和に、科学的根拠を持つ「香り」が役立てばと考えます。内服薬に頼らない体に優しい医療としての展開も可能になります。
(共同研究・特許などアピールポイント)
●本研究の一部は、東京大学医学部との共同研究で行われています。●本研究に関連して、大手化粧品メーカー、食品メーカー、香料会社等と共同研究・意見交換を行っています。
(コーディネータから一言)
「香り」による感情や身体反応の変化を脳科学で解明する研究。アロマテラピーの科学的根拠を検証し、香りによる自律神経系の調節を目指します。「香り」に注目した新商品・新サービスなどの研究開発に協力できます。
(研究分野)
感覚生理学 自律神経生理学
(キーワード)
脳科学 香り 自律神経中枢 嗅覚中枢 アロマテラピー

カテゴリ : シーズ(得意な技術・サービス等)
対象エリア: 選択なし
有効期限 : 無期限

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