微生物による環境改善および食品・バイオマスへの有効利用
- 公開日: 2019-05-13
- 変更日: 2021-07-08
- 投稿者:鹿児島大学南九州・南西諸島域イノベーションセンター 研究・産学地域連携ユニット
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(研究の背景および目的)
微生物には分解者と生産者という2つの能力があります。分解者の能力を用い、重油汚染の環境レメディエーション*、バイオディーゼル燃料の副産物処理および赤潮駆除への有効利用を図っています。生産者としては健全な魚介類を生育するためのプロバイオティクス(善玉菌)の開発、タンパク資源としての有用藻類およびバイオディーゼル燃料を生成する有用微生物の検索を行っています。分解者と生産者を同時に兼ねる光合成細菌による、排水処理と有用物質生産に関する研究も進行中です。
(主な内容)
*レメディエーション:有害物質で汚染された自然環境を有害物質を含まない元の状態に戻す処理。タンカー事故などで流出する重油汚染を軽減するための重油分解菌の分離と応用に関する研究。バイオディーゼル燃料(BDF)の生成過程でできるグリセリン等の副産物の微生物分解処理。赤潮やアオコなど有害藻類の駆除に微生物や化学薬剤を応用する研究。健全な魚介類を生育するためのプロバイオティクス(善玉菌)の開発。スピルリナ*などの藻類から色素やタンパク質を抽出し有用成分を利用する研究。バイオディーゼル燃料となる脂質を生成する藻類や細菌類の検索。光合成細菌による畜産排水や焼酎かす処理とその光合成細菌の餌料等への有効利用に関する研究スピルリナ:アフリカ、中南米の湖に自生する熱帯性の藻類。タンパク質等の栄養素や色素を多く含み、食品・天然染料として培養・生産されている共同研究中のBDF製造装置重油分解細菌やプロバイオティクス菌のストック有用物質を生産する微生物(スピルリナなど)
(期待される効果・応用分野)
微生物の専門家として海洋分野に限らず、広範囲に渡る微生物利用を想定しています。水、エネルギー、食品、畜産、水産など多様な分野との融合研究や共同開発を行ってきました。とりわけ海洋バイオマス分野では、二酸化炭素の負荷軽減や水産未利用資源の有効活用など、海洋資源からの視点にとどまらず、地球環境保全に重点を置いた研究にも従事しようと考えております。いわゆる“エコテクノロジー分野”で様々な発展が期待できる研究を展開しています。
(共同研究・特許などアピールポイント)
・特開平08-009981 高度不飽和脂肪酸の製造法
・特許第4900886号環境改善維持方法
・特許第4965129号汚損生物駆除素剤
・特開2006-204107 焼酎カスの処理法および有効利用
・特許第3699987号光合成細菌およびラン色細菌
(コーディネータから一言)
微生物による環境改善、藻類や微生物による有用物質生産に取り組む微生物の専門家。多様な分野との融合研究、企業等との共同研究に積極的に取り組んでいます。微生物による様々な課題解決をサポートできる研究です。
(研究分野)
環境微生物学 応用微生物学 分子微生物生態学 エコテクノロジー
(キーワード)
微生物活用 環境改善 赤潮駆除 重油汚染 BDF 善玉菌 スピルリナ 光合成細菌 バイオマス
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