農耕地土壌中の微量元素の分布と動態を解明する
- 公開日: 2019-05-13
- 変更日: 2020-09-25
- 投稿者:鹿児島大学南九州・南西諸島域イノベーションセンター 研究・産学地域連携ユニット
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(研究の背景および目的)
重金属をはじめとする微量元素は、あるものは生存に不可欠な物質(鉄、亜鉛、銅など)として、またあるものは健全な成長・生育を阻害する有害な物質(カドミウム、ヒ素、鉛など)として、生物の生存・生命活動に大きく関与しています。作物生産の基盤であり、物質循環の場でもある農耕地土壌にも多様な無機元素が存在します。私たちの研究室では、農耕地土壌に含まれる微量元素の分析を通して、農耕地土壌さらには耕地生態系における微量元素の分布と動態の解明を試みています。
(主な内容)
●農耕地土壌における微量元素の分布および収支の解明農耕地土壌と自然土壌との比較農耕地では、単一作物の連続栽培(連作)、耕起・耕うん、水管理(灌水、湛水)、収穫物の持ち出し、堆肥・肥料の投入など、さまざまな農業生産活動が行われており、自然生態系とは大きく異なる生態系(耕地生態系)を構築しています。このような農耕地の土壌における無機元素の分布・動態を明らかにし、自然土壌と比較することで、農業生産活動が土壌、さらには生態系に及ぼす影響について検証を試みています。数百サンプルの土壌を分析し、微量元素の分布と動態を解明する予定です。
(期待される効果・応用分野)
農耕地土壌における微量元素の分布を周辺の自然土壌と比較し、施肥、水管理、収穫などの農業生産活動による収支を明らかにすることで、微量元素の動態が理解できます。農業生産活動が土壌ないし環境に及ぼす影響を評価することは、環境と調和した持続的かつ安定的な作物生産技術を構築・開発するうえで、大きく役立つものと期待しています。同時に、農耕地土壌における有害元素等の存在量に関する知見は、農産物の安全性を検証する上でも有用な情報を提供するものと考えています。
(共同研究・特許などアピールポイント)
●誘導結合プラズマ質量分析法など分析技術の進展により、測定困難であった微量元素の濃度測定が可能になりました。これらの分析技術を活用して、土壌・植物・水などのさまざまな環境中の微量元素の存在量について調査を進めています。
(コーディネータから一言)
農耕地の土壌を微量元素の分布状況によって評価する研究。環境負荷のない、安心安全な作物生産技術の開発に役立ちます。同様の分析技術を活用して、農作物や水などに含まれる微量元素の存在量調査も進行中です。
(研究分野)
植物栄養・肥料学 土壌学 環境化学
(キーワード)
微量元素 重金属元素 ハロゲン元素 農耕地土壌 作物の栽培環境
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