化学発光を利用した環境中の微量有害物質分析法の開発
- 公開日: 2019-05-13
- 変更日: 2022-12-21
- 投稿者:鹿児島大学南九州・南西諸島域イノベーションセンター 研究・産学地域連携ユニット
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(研究の背景および目的)
化学発光検出法は化学物質の量を光の量に変換して測定する分析法です。安価な装置で高感度分析が可能なことから、化学物質の検出法として利用されています。しかし化学発光を生じる物質の組み合わせは少なく、測定できる物質は限られています。そこで新たな化学発光反応系の探索を基礎研究として行ない、さらにその応用研究として環境中に存在する微量有害物質(ニトロソアミン,メチル水銀など)の高感度分析法の開発を進めています。
(主な内容)
発光試薬+反応剤ルミノール過酸化水素ルテニウム錯体etc.第三アミンetc.もし反応剤となるものが有害物質なら・・・有害物質+薬物環境ホルモン環境汚染物質etc.発光試薬<基礎研究>どのような物質の組み合わせが発光反応を起こすのか?<応用研究>環境・生体・食品中の微量物質の高感度分析法の開発発光量と分子構造の関係解明発光反応発光量=物質の量N-ニトロソアミン類の高感度分析法の開発N-ニトロソアミン類は強い発がん性を持つ物質群として知られており,高感度な分析法の開発が望まれています。そこで高速液体クロマトグラフィー(HPLC)と化学発光検出法の組み合わせによる分析法の開発を行いました。原理的には,HPLCによりニトロソアミン類を分離後,オンラインで紫外線を照射することでニトロソアミン類を一酸化窒素に変換し,そこにルミノール化学発光試薬を混合することで,発光反応を起こさせニトロソアミン類を測定するという簡単なものとなっています。その他水銀の形態別分析法の開発なども進めています。
(期待される効果・応用分野)
N-ニトロソアミン類の一つであるN-ニトロソジメチルアミン(NDMA)が、平成21年より水道水質基準の要検討項目として追加され、水道水や原水中におけるNDMAの存在状況の確認とその生成機構の解明が求められています。開発したニトロソアミン類の分析法は、簡易で迅速かつ既存の分析法より100倍以上高感度という優れた分析法となっているため、人手がかからず安価な分析装置を開発できます。NDMAの挙動解明研究を大きく前進させる手法となることが期待できます。
(共同研究・特許などアピールポイント)
●おもに化学発光反応を利用した自然環境中の有害物質の分析法を開発しています。測定ニーズのある物質を、研究テーマとして検討できます。
(コーディネータから一言)
ニトロソアミン類の簡易で安価、高感度の分析法を開発。“より安全な”水作りへの活用が期待できます。化学発光検出を中心とした、有害物質等の分析法の研究は、様々な物質の測定に応用が可能です。ご相談ください。
(研究分野)
分析化学 環境化学
(キーワード)
水質・食品分析 化学発光 HPLC 環境・食品分析 ニトロソアミン 水銀
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