実践知を活用したTIC研修プログラムの開発
- 公開日: 2024-11-13
- 投稿者:鹿児島大学南九州・南西諸島域イノベーションセンター
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【研究の背景および目的】
トラウマインフォームドケア(TIC)とは、心の傷、いわゆるトラウマを前提とした支援の在り方のことです。専門家による特別な治療法ではなく、全ての対人援助職が共通して持っておくべき基本姿勢であり、近年日本においても、様々な現場でTIC研修が行われています。効果的なTIC研修を実施するためには、それぞれの現場で行われる実践との繋がりを持たせることが重要とされており、現場の支援者が経験的に培った「実践知」を踏まえた研修プログラムの開発が求められています。
【おもな研究内容】
1.支援者の実践知及びニーズの実態調査
現場の支援者が要支援者のトラウマをどのように捉え、実践を行っているのか(実践知)を明らか
にします。また、支援者が研修に何を求めているのか(ニーズ)を明らかにするとともに、研修の具
体的な目標を定めます。
2.研修プログラムの作成および試行
実態調査をもとに、TICに関する研修プログラム(試行版)を作成し、試行を行います。試行後、
アンケート調査を実施し、効果的な研修方法について検討を加えます。
3.研修プログラムのさらなる効果検証
研究1、2を踏まえて研修プログラムのブラッシュアップを重ね、さらなる効果検証を行います。
可能であれば、継続的な研修やスーパービジョンを実施し、縦断的な実践研究も検討中です。
【期待される効果・応用分野】
TIC研修自体に対して抵抗感がある支援者にとって、一方的なTICの押し付けは、支援者に対するトラウマを生みます。それはTIC研修の意義と反することです。本研究では、現状の支援の在り方や基盤となる価値観を尊重し、事前の調査を丁寧に行うことによって、より実践に馴染む研修を模索します。また、ここで得られた知見や方法論は、他の現場におけるTIC研修の開発にも寄与するものと考えます。
【共同研究・特許などアピールポイント】
●職種や領域を限定せず、医療従事者、学校教員、
福祉専門職など様々な専門性を有する方、機関を対象に研修を実施します。また、研修の時間や日数などは現場の実情に応じて柔軟に調整できます。
【コーディネーターから一言】
TIC研修の要支援者ではなく、支援者のほうに視点を向け、さまざまな実践現場での問題解決を目指す当該研修プログラムの開発は、新しい学問の領域を開けると同時に、社会での実用効果も大いに期待できます。
研究分野:臨床心理学、非行・犯罪心理学
キーワード:加害者臨床、非行・犯罪予防、自傷行為、トラウマインフォームドケア
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