豚熱清浄化に向けたイノシシへの効率的ワクチン散布戦略
- 公開日: 2024-10-03
- 投稿者:鹿児島大学南九州・南西諸島域イノベーションセンター
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【研究の背景および目的】
豚熱の流行は我が国の養豚産業に深刻な影響を与えており、感染地域は拡大するばかりです。野生イノシシ間での感染拡大が主要なリスク要因であるため、イノシシへの経口ワクチンの散布が実施されていますが、摂取率や有効性の検証は不十分で依然不明な点が多いのが現状です。本研究では、既存の様々な環境データに基づいて、種分布モデリングにより野生イノシシの生息域を予測します。これにより、摂取確率が高い地点に優先的にワクチンを散布することが可能となります。
【おもな研究内容】
【期待される効果・応用分野】
国内では豚熱の流行により35万頭以上の豚が殺処分され、畜産業に深刻な影響を与えています。本研究では信頼性の高いデータが利用できる岐阜県をモデルケースとしておりますが、得られた知見は他県への応用が可能です。この研究により野生イノシシの生息地に無駄なくワクチン散布を実施して、日本全国の野生イノシシ集団を原因とする豚熱の有病率を改善できます。豚熱を清浄化できれば、日本の養豚業の大きな障害を減少させ、成長に向かう重要なステップとなると考えています。
【共同研究・特許などアピールポイント】
●質の高いデータと経験に基づく専門的な知識を有する岐阜県庁およびアフリカ豚熱WOAH指定研究所であるマドリードコンプルテンセ大学(スペイン)と共同研究を実施しております。
●本研究は伊藤記念財団の研究助成事業に採択されております。
【コーディネーターから一言】
豚熱の清浄化のため、データサイエンスを用いて猪にワクチン散布を行う取組みです。質の高い情報を集め、高精度な予測を行うためには自治体等との連携が不可欠です。興味のある機関からのご協力をお待ちしております。
研究分野:獣医疫学、動物衛生学
キーワード:豚熱、感染症、野生動物、データサイエンス、アフリカ豚熱、スマート畜産
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