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鹿児島に生育する600種超の海藻の多様性を解明する

  • 公開日: 2024-09-03
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【研究の背景および目的】
鹿児島県には、暖温帯から亜熱帯域まで幅広い温度環境のもと、600種を超える海藻が生育しています。海藻類の多様性を解明するためには、過去から現在までの海藻相を調査する必要がありますが、海藻類には現在充てられている種とは異なるもの、複数種を混同しているもの、既知種に当てはまらない新種あるいは新産種が多数存在しています。遺伝子解析と形態観察に基づく正確な同定と、分類学的研究によって新種・日本新産種の記載と報告を行い、鹿児島の海藻相の解明を目指しています。

【おもな研究内容】
種子島西方沖に生育する深所性海藻の多様性の解明
海藻類は、通常潮間帯から水深10~20mくらいまでの潮下帯に生育していますが、鹿児島県種子島西方沖の海域には、水深30-50mの海底に150種を超える海藻が生育しています。鹿児島大学水産学部附属練習船「南星丸」に乗船し、ドレッジ調査によって海藻を採集しています。
これまでに水深30m以深からしか報告のない稀産種や、既知の日本産種に該当しない種類が多数確認されており、新種の記載や日本新産種の報告を行っています。多様性の解明とともに、種子島西方沖に多くの海藻が生育している要因についても調べています。
鹿児島県沿岸に生育する海藻の多様性の解明
離島も含め、鹿児島県沿岸や離島に生育する海藻について分類学的研究を行っています。

【期待される効果・応用分野】
海藻類は食用等の養殖、環境保全、未知の有用物質の探索など、様々な分野で利用されていますが、海藻の同定は容易ではないことに加え、未解明な種が多く残されています。未利用海藻を新たな資源として活用するため、海藻の採集や同定する際の技術を提供、名前を識別することが可能です。
海藻相を調べることで、それぞれの地域の海藻の多様性を明らかにし、過去と現在とでどのような変化があったかなど、沿岸域の環境保全における基礎的情報の提供が可能です。

【共同研究・特許などアピールポイント】
●2010年から日本産海藻リストの編纂を続け、海藻の最新かつ正確な名前を発信しています。
●本州、四国、九州の温帯域から、南西諸島、台湾などの亜熱帯域に生育する海藻を調査し、分類学的研究を行っています。

【コーディネーターから一言】
最新の知見を取り入れた「日本産海藻リスト」を編纂している海藻の専門家。海藻の採集・調査・同定の豊富な経験を元に、未利用海藻の識別等のご協力が可能です。有用物質探索の専門家等との共同研究も推進して行きます。

研究分野:藻類分類学
キーワード:海藻、藻類、分類学、多様性生物学

カテゴリ : シーズ(得意な技術・サービス等)
対象エリア: 国内 / 南九州 / 南西諸島域 / その他地域
有効期限 : 無期限

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