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加害者家族の現状と支援の在り方

  • 公開日: 2020-11-14
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■研究の背景および目的
家族の誰かの加害行為が発覚したとき、加害行為者本人だけでなく、家族が社会から非難されてしま
うことが多々あります。さらに加害者家族は捜査機関からの事情聴取を受け、刑事裁判での証人とな
ることもあります。しかし加害者家族を支援する総合的な法制度はなく、多くの場合、家族は誰の助
けもなくこれらに対応しなければならず、精神的にも肉体的にも追い込まれているのが現状です。私
たちは加害者家族の現状について検証し、支援のあり方を探ることを目的に活動しています。
■おもな研究内容
加害者家族支援研究会での活動を通じて、研究会のメンバーとともに以下の調査研究を行っている。
1 勉強会を通じて加害者家族の現状と支援のあり方について検討
日本で初めて加害者家族支援を始めたNPO法人ワールド・オープン・ハート(WOH:仙台)の代表阿部恭子氏を顧
問に、加害者家族の現状や、阿部氏が全国で行っている加害者家族支援の実際(相談、助言活動、マスコミとの対
応など)の報告をもらい、加害者家族支援のために欠けている社会制度、刑事司法制度、社会の考え方、今後のあ
り方について検討する。勉強会はズームによる遠隔方式も併用し、全国からの参加者を募ることもできる。
2 加害者家族支援に関わる専門家ネットワークの構築
加害者家族支援の内容は、一般・法律相談、行政・福祉機関との対応、報道対応
など多岐にわたる。このために研究者のみならず弁護士、心理の専門家などが協力
して総合的に取り組むことが必要なことから、勉強会に参加した専門家有志による
ネットワークを構築する。将来的な制度提言とともに、現実的にも案件が生じたと
きに迅速な対応を提供できるようなネットワークの構築を目指す。
3 加害者家族会などを通じ、家族が直面する問題について聞き取り
鹿児島市内で、加害者家族同士が交流して本音で悩みを語り合う場を作る。
希望者には電話による相談を受け付ける。
4 社会への働きかけ
加害者家族支援の重要性をマスコミを通じて社会に働きかけ、人々の意識の変革
や法制度の策定につなげることを目指す。
■期待される効果・応用分野
2004年に犯罪被害者等基本法が成立し、被害者やその家族の権利が明記されました。被害者への支
援体制の整備が進んできたことで、加害者家族への支援も検討できる段階に入ったと言えます。加害
者家族支援の必要性に対する地域・企業・教育機関等の理解が進めば、加害者家族への差別やハラス
メントが防止され、社会的に追い詰められる加害者家族の状況を改善できます。
加害者家族の法的地位を確立し、人権に配慮できる社会を構築する一助となると考えています。
■共同研究・特許などアピールポイント
●研究会には法律の研究者、実務家、心理専門家
など、多様な専門家が参加しています。加害者家
族支援に関する多岐にわたる問題に対応できます。
●WOHへの相談の3分の1は九州からです。地域
性や地方特有の課題に対する施策も検討します。

■コーディネーターから一言
2019年、鹿児島大学に加害者家族支援研究
会を発足。法制度の策定や意識変革を地方か
ら目指す活動が新聞等でも報じられました。
講演・勉強会等で、人権や家族についての新
たな視点を提供できます。ご連絡ください。
■研究分野
人権、法律実務、刑事司法
■キーワード
加害者家族、刑事事件、刑事裁判、報道被害、再犯防止推進計画

カテゴリ : シーズ(得意な技術・サービス等)
対象エリア: 選択なし
有効期限 : 無期限

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