高速アナログLSI技術
- 公開日: 2019-05-13
- 変更日: 2022-12-15
- 投稿者:鹿児島大学南九州・南西諸島域イノベーションセンター 研究・産学地域連携ユニット
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(研究の背景および目的)
現代の高度情報化社会は、インターネットや携帯電話、デジタルテレビ放送など様々な情報システムが、有線、無線、光ファイバーなどの多様な通信媒体を用いて、高速に情報交換することで成り立っています。通信システムが伝達している情報はデジタルですが、情報を担っている信号の振幅や位相はアナログ情報であり、そのハードウエアは高度なアナログLSI技術によって支えられています。研究室では、通信システムの性能を支配する高速アナログLSI技術を研究、開発しています。
(主な内容)
770-MHz,70-mWADCモジュール(1)高速、低電力CMOSADCLSI技術携帯無線通信やディスクシステムなどの分野から、高速(1GHz)かつ低電力(<100mW)のADCLSI(アナログデジタル変換回路)の要求が非常に高まっています。当研究室では、高速動作を保ちつつ歪や雑音を低減する技術や、製造にばらつきがあっても精度を低下させない補償技術の開発に取り組んでいます。これまでに、770MHzで70mWの8bitADCLSIを開発しています。VCSELarrayDriverLSIcircuitcore(1ch.)175X225umFlip-chipbonded10-Gb/sVCSELドライバLSI90-nmCMOS(2)光配線向け送受信器LSI技術半導体の微細化技術の進歩により、LSI間のデータ伝送速度は高速化の一途をたどっています。しかし、回路基板配線の抵抗や誘電体損失による信号減衰や信号間のクロストークにより、LSI間のデータ速度は限界に達しつつあります。そこで、回路基板内に導波路を形成することにより、光信号によりLSI間データ伝送を行う光配線が注目されています。当研究室では、レーザーの駆動波形を高精度に制御することにより、波形歪の少ない光波形を実現する回路方式を開発しています。
(期待される効果・応用分野)
携帯電話基地局や高速ハードディスク、システムの高速化と低電力化を実現させるADCLSI技術の開発に取り組んでいます。IC間で伝送する信号の波形を高精度に調整し、高速インターフェースを実現する回路を開発中です。光ファイバーをセンサーとして応用する技術のご相談への対応も可能です。
(共同研究・特許などアピールポイント)
特許4681622 「AD変換器」
特開2010-141138「レーザーダイオード駆動装置」
特許5439590 「比較器、差動アンプ回路、及びアナログデジタル変換器」
(コーディネータから一言)
様々な通信システムが高速で情報交換する現代社会。その進歩を支えるために必要な、アナログLSIの技術開発が研究テーマ。技術革新に合わせ、高速、低電力でシステムの能力を100%発揮する応用技術を開発しています。
(研究分野)
アナログ電子回路 LSI工学 通信工学
(キーワード)
回路 アナログ回路 光通信 インターフェース シグナルインテグリティ
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